夢の中にキミが居るならロマンチックだが、ボクです。
夢の中で、電車に乗ろうとしていた。
ホームは人でいっぱいで、やってきた電車も満員だ。
何とか乗らなければと思って、無理やり乗り込もうとしたら、そこは車掌室のドアだったので、あわてて前の方に走って乗り込んだ。
どこかの駅で降りて、地下街のようなところを歩いていた。
いったいどこに行こうとしているのか?
名門小学校の入学試験を受けに行くのだ。
誰がって、私ですよ。
かなりの難問が出るらしい。
がんばらなくては、と緊張する。
でも、受けさせてくれるだろうか。
62歳だからなあ。
年齢制限があるかもしれない。
受験できるとしても、「受かったら入学するんですか」と聞かれたら、なんと答えよう。
やっぱり、ダメかもしれない。
そしたら、この受験票が無駄になるな。
財布から、コンサートの入場券みたいな、受験票を取り出す。
「4300円」と書いてある。
「4300円、パアになるかもしれない」
「え!4300円!」
家内がビックリして大声を出した。
いつの間にか横を歩いていたようだ。
「もったいないわねえ!」
夢の中でも家内らしいことをいう。
大勢人が歩いている。
向こうから来る男に見覚えがあると思った。
あるはずで、それは私だった。
向こうから来る私は、見ている私に気づかず行ってしまった。
すれちがった私の若々しさに驚いた。
思わず声が出た。
「若いなあ!」
「だれが?」
「いま、ボクとすれちがった」
「ふーん」
全然驚かない。
4300円とえらいちがいだ。
「ものすごく若く見えた。ほんとのボクは、あんなに若くないワ」
「ふーん」
無関心である。
なぜこんなしょーもない夢を見るのかと私の脳に聞く気にもならないくらいしょーもない夢であった。