料理教室。
行きのバスで、小学一年生の女の子と、学校に送っていくお母さんが話している。
女の子は、顔もかわいいが、声が実にかわいい。
学校のことを一生懸命に話す。
「あのネ、○山×子ちゃんがね・・・」
「○山×子ちゃんて、どんな子？」
「かわいい子よ〜〜〜！」
かわいい女の子が、かわいい声で、心の底から、という感じで言ったので、私はひっくり返りそうになった。
○山×子ちゃんは、どれほどかわいい子なのであろうか。
さて、今日の料理の課題は、「アジの三枚おろし」。
「三枚おろし」というのはよく聞くけど、どんな料理法かと興味津々であった。
まあ、たいしたものではなかった。
先生は、ベビーフェイスの若い女性だ。
初めてこの先生に習ったとき、専門学校を出たばかりだろうと思った。
だいじょうぶかな、とも思った。
前回、31歳と聞いてびっくりした。
若く見られます、とのことであった。
なんとなく、結婚はしてないように思っていたのだが、今日、小学一年生を頭に、三人の子供がいると聞いてまた驚くと同時に、料理に関する信頼度が一気に増した。
教室がすんでから、家内と奈良公園に行く。
家内の知り合いの「墨彩画展」を見る。
会場で、家内の別の知り合いに会った。
私は初対面だが、名著じゃなかった拙著『今日はラッキー！』を読んで、大変気に入ってくれたそうだ。
私を見て、「ま〜！こんなまじめそうなかただったんですか！」と眼を丸くしていた。
まじめそうじゃなくて、まじめなんですけど。
東大寺に桜を見に行く。
鹿せんべいを買う。
鹿せんべいを買うのは、初めてだと思う。
せんべい売りのおばちゃんから、せんべいを受け取って、金を払ってたら、後ろから思いっきり足をつつかれた。
振り返ると、ひぇ〜〜！鹿が密集してた。
「総攻撃！」という感じである。
あっという間にせんべいはなくなった。
なくなったら両手を挙げて見せると鹿はあきらめる、とどこかで読んだことがあるので、両手を挙げたら、攻撃はやんだ。
奈良公園を歩いてたら、朝、バスで見た女の子とお母さんが歩いてきた。
女の子は、ビービー泣いて、駄々をこねていた。
駄々をこねる声は、かわいくなかった。
