きのう、小倉百人一首のかるた競技日本一を決める、名人位、クイーン位決定戦が行われた。
毎年このニュースを見ると、ヘンな気がする。
「小倉百人一首」というと、優雅、優美の代表みたいに思うのだが、テレビで見ると、むちゃくちゃだ。
札を、パッシーン!と弾き飛ばしている。
世界がちがうと思う。
それと、「名人」はまだいいが、「クイーン」というのがひっかかる。
やはり、世界がちがうと思う。
「かるたの女王」もヘンだし、「かるたの女帝」もおかしい。
やはり、根本的にまちがっていると思う。
それでもまだ札を弾き飛ばすていどだからおとなしいとは言える。
二十数年前、ウチのかるたは、すごかった。
長女と次女が、二、三歳のころから、修羅場は始まった。
私たち親にとって、娘たちとかるたをするのは楽しかったと言いたいが、とてもそうは言えない。
一歳違いの二人が、一枚の札をめぐって猛烈に争う。
どちらかが二枚続けて取っただけで、この世の終わりかという騒ぎになる。
並べてある札を、手や足でぐちゃぐちゃにして泣きわめく。
二人をなだめすかして続ける。
そのうち、二人は頭をゴツンゴツンとぶつけ合う。
かるたをしているのか頭突きをしているのかわからないようになる。
頭突きをかましあって、先に失神した方が負けだ。
残り札が少なくなってくると、完全な肉弾戦になる。
長女は、お姉ちゃんであるということを自覚して、少しは遠慮ということを知っていたが、次女は、遠慮会釈なく情け容赦なく、とにかく、最終的に札を手に入れればいいのじゃ!という気合だった。
姉が取った札を、力ずくで奪い返しにいく。
たたく、かみつく、髪の毛を引っ張る。
やっとのことで悲惨な戦いが終わって、枚数を比べる。
少なかった方が怒り狂って札をぐしゃぐしゃにしてクズカゴに投げ込む。
疲れ果てた私と家内は、もう二度とかるたはしないと心に誓うのであった。
それに比べると、日本一決定戦もおとなしいもんですね。