ウチの近所の郵便局の窓の張り紙。
職員が、模造紙に手書きしたのを張ってある。
窓が小さいから、一行ではおさまらない。
「年金
相談所」
ふむふむ。
隣の窓。
「退職金ど
うしよう?」
なぜこんな張り方をする。
「退職金
どうしよう?」
これがふつう、というか、自然というか、万国共通じゃないでしょうか。
漢字かな混じり文を採用している国なら、どこでもこうするはずだ。
目を引くために、色々考えたあげくのことなのか。
何も考えず、ぼーっとして張ったのか。
近鉄電車。
連結部分に乗ったので、運転席が見えた。
何気なく計器盤を見ていてドキッとした。
「デッドマン装置設置車両」
デ、デ、デッドマン装置!?
なんじゃそれは。
不吉ではないか。
鉄道用語なのだろうが、おだやかじゃありませんね。
インターネットで調べたところ、運転手が意識不明になったり、死んだとしても、暴走せず自動的に止まる装置のことらしい。
不吉な装置じゃなくて、安心な装置なのだ。
安心な装置ではあるが、不安を生じさせる装置だ。
こういう装置があると知ったために、運転手が死ぬかもしれない、意識不明になることがあるかもしれないということに気づく。
気づくと不安になる。
でも安心だ。
デッドマン装置設置!
う〜ん、やっぱり「デッドマン装置」は、語感がよくない。
誰じゃ、こんな名前をつけたのは。
それに、運転手が死んだり、意識不明になったときに作動するなら、運転手が半死半生のときや、意識があったりなかったりのときはどうなるのか。
デッドマン装置をもってしても、乗客の不安を拭い去ることはできない。