若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ワープロとナチス

「育児日記」というようなものを書いてました。

長女が生まれてから、1997年までの19年間、24冊のノートが残ってます。
子供の成長を記録しようという殊勝な心がけではなく、なんか書くのが好きだから書き始めたんでしょうな。

家内も付き合って書いてますが、私ほどヒマじゃないので、私の方が多い。
内容は、約8割が、三人の子供がいかに可愛いかということです。
繰り返し、飽きることなく書いてます。
誰に読ませるわけじゃないから、いいんじゃないでしょうか。
あとの2割は、世界の大問題について論じている、ということにしておく。

最後のノートを引っ張り出して読んでみた。

1997年2月、ケータイ電話が非常に流行ってると書いてある。
この年の、某信用金庫主催の新春講演会に出席したら、講師の中谷巌先生の話の最中に、何度もケータイのベルが鳴った。
そのうちの一人が、中谷先生の講演中にもかかわらず、ケータイでしゃべり出した。
中谷先生があきれて黙ってしまったと書いてある。
大阪の中小企業のおっさんにも困ったもんである。

1985年、11冊目のノートを読む。
ワープロの手紙について書いてある。
私は、昔から、用もないのによく友人に手紙を書いた。

このころ、私はワープロを使い始めたようだ。
うれしがって、友人にワープロで手紙を書いている。

私の、初めてのワープロでの手紙に、高校時代の友人T君から返事が来た。
T君は、某国立大学医学部に入ったころ、「田中角栄に期待する」と言って私を驚かせたと思ったら、その後全共闘にかぶれて、私を驚かせた男だ。

当時は、有能な外科医として活躍中だった。
T君は、私のワープロでの手紙を受け取って、「マイコンによる人間支配」を嘆き、「プリンタの字の画一性は、ナチスファシズムを思わせる」などと書いてきて、私を喜ばせてます。

日記を読むと、当時、新聞の投書欄でも、ワープロの手紙を悪く言ってる人がいたようだ。

「プリンターの文字では、行間から息遣いが伝わらない」という意見に対して、私は、「行間から、スースーハーハー息遣いが聞こえたら気持ち悪い」と書いてます。
今と変わりませんね。