若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

乳母車

注文してあった乳母車が届きました。

(はなちゃん母子が、えらく長く実家にいるなあとご心配頂いてるかと思いますが、お父さんの仕事の都合で、もうしばらくいますのでよろしくお願いします)

一ヶ月過ぎたころから、はなちゃんを抱いて近所を散歩してますが、いよいよ乳母車です。

家内が(娘ではありません)ほしがっていた、昔ながらの箱型の乳母車です。

母親の意見は聞かなくていいのか。
聞かなくていい。
はなちゃんのことは、すべて私たちで決めます。

乳母車は、螺鈿金蒔絵、日除けは西陣織という豪華な車体、安全面も、シートベルト、エアバッグ、防弾ガラス装備という優れもの。

さて、快晴に恵まれ、お日柄も良き本10月31日午前10時、はなちゃんの「乳母車乗り初めの儀」が厳かに執り行われた。

町内は、朝早くから、はなちゃんのお通りを待つ人々でにぎわっていた。
きのう、自治会の緊急回覧板で、「はなちゃん乳母車乗り初めの儀」と「町内練り歩き」が告知されたからである。

家々には日の丸の旗がはためき、沿道の人々は、手に手にどういうわけか朝日新聞の小旗を打ち振りながら、はなちゃんのお通りを今や遅しと待ち構えるなか、高らかなファンファーレを合図に、はなちゃんを乗せた乳母車は、若草鹿之助邸南大門から、静々と出発した。

では、先導の白バイをご紹介いたしましょう。
沿道寄りは、奈良県警交通警邏隊、平城せんと巡査長。
「本日の大役、非常に光栄です。安全かつスムースに先導したいと思います」と語ってくれました。
中央寄りは、同じく奈良県警交通警邏隊、奈良漬夫巡査長。
「乳母車の先導は初めてのことで、緊張しています。沿道の皆様のご協力をお願いします」とのことです。

南大門前を出発した乳母車は、西に向かい、山本畳店前で左折、一路阪奈道路方向へと進みます。
沿道の人々からは、万歳の声が沸き起こっています。

はなちゃんは、生後二ヶ月とは思えぬ落ち着きで、乳母車の中でにっこり微笑み、時折会釈し、手を振って、沿道の人々の歓呼の声にこたえています。

沿道のお年寄りの中には、乳母車に向かって手を合わせ、「ありがたいありがたい。これで寿命が三年延びました」と、涙を流して感激する姿も。

こうして、はなちゃん乳母車乗り初めの儀は、滞りなく終ったのであった。