夕方、ピンポ〜ンとチャイムが鳴りました。
ゆうちゃんですよ。
この時間のチャイムはゆうちゃんです。
ゆうちゃんが鳴らすわけじゃないですが。
ビールを飲みかかってた私は、コップを置いて急行。
ドアを開けて門の方を見ると、たしかにゆうちゃんの顔は見えるんですが、いつもの超豪華乳母車でも豪華バギーでもない。
ゆうちゃんの見える位置がなんかヘンなんです。
何に乗ってるのか?
ゆうちゃんもなんかヘンである。
ゆうちゃんが何かかぶってるみたいだなあ・・・。
ヘルメット?
ゆうちゃんがなぜにヘルメットを?
ジャ〜〜〜ン!
ゆうちゃんは、自転車に乗ってたのだ。
というか、乗せられてたのだ。
ゆうちゃんのママが、電動自転車を買ったんです。
ゆうちゃんは、ヘルメットをかぶって、コックピットにおさまったテストパイロットみたいな神妙な顔つきでした。
私は、危ないなあ、と思いました。
なぜゆうちゃんを、テストパイロットみたいな危険な目に合わせるのだ。
続いて出てきたおばあちゃんも同感だったようで、「危ないよ。気を付けてやってね」と言いました。
ホントに、ゆうちゃんを自転車に乗せて走るなんて、危険極まりない。
いったい何を考えてるのか。
心配する私たちに対するゆうちゃんのママの反論。
三十年ほど前、私たちは、ゆうちゃんのママと、はなちゃんことちゃんのママを、自転車の前と後ろに乗せて走ってたというんです。
ヘルメットもなしで。
う〜む・・・。
た、たしかに。(-_-;)
しかし、アレは危険じゃなかった。
ぜんぜん危険じゃなかったです。
私たちが二人乗せようがが三人乗せようがだいじょうぶでしたよ。
私たちにおまかせくだされば、自転車に十人、二十人はだいじょうぶ。
それくらい私たちはエラかった。
しかし、ゆうちゃんのママにはゆうちゃんをまかせられない。
この感覚は不思議と言えば不思議である。
しかし、実感だからしかたがない。
ゆうちゃんを自転車に乗せてほしくない。
だいたい、ゆうちゃんのママは自転車に乗れるんか?
幼稚園のころ、乗り方を教えた記憶はあるんですが。
困ったもんである。
↓コックピットのテストパイロット風ゆうちゃん。