カルチャーセンターでも、乗馬クラブでも、中高年女性が多いので、似たような話が繰り返される。
親の介護、夫の病気、夫の死、孫。
きのう、乗馬クラブで、3月に孫が生まれたという話。
女の子で、名前は「桃子」。
妊娠してすぐ、女の子なら「桃子」、男の子なら「左近」に決めていたそうだ。
女の子が「桃子」なら、男の子なら「桃太郎」だと思うが、「左近」とは?
今日は散髪。
奈良から、東大阪まで散髪に行く。
奈良から行くくらいたいしたことはない。
この店には、和歌山から来る人もいる。
私と同じくらいのトシの人だ。
その人は、和歌山出身の人で、大学時代にこの店の近くに下宿していて、散髪に来ていた。
卒業して、実家に戻り、和歌山の会社に就職した。
結婚して和歌山に住んでいる。
ふつうは、卒業して和歌山に帰ったら、和歌山で散髪に行くと思う。
まあ、大阪市内の散髪屋なら、大阪に出るついでにということもある。
南海電車で大阪まで出て、近鉄に乗り換えて、東大阪の、夫婦二人の散髪屋に四十年通っている。
感動するような話ではないが、悪くはない話だと思う。
今日は珍しく先客二人で、新聞を読みながら待つ。
一人終って、奥さんが呼びに来た。
「どうしたの?こわい顔して」
わが子を虐待して死なせた記事を読んでいたので、こわい顔になっていたようです。
座ると、奥さんが、「もう、ロサンゼルスに行って来た?」と聞いた。
前に来た時、娘と孫が、ロサンゼルスに行く話をしてあったのだ。
主人も、「さびしいやろ。女の孫は特に可愛いからなあ。名前、なんて言うん?」
「花」、と言ったら、主人は、「えっ!」と、ハサミを落とさんばかりに驚いた。
「はな!?・・・ウチのばあちゃんとおんなじやがな!ばあちゃんは、カタカナのハナやったけどなあ。えらい昔風の名前つけはったんやなあ・・・」
主人は、今は亡きばあちゃんを思い出したのか、しばししみじみしていた。