若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

蛇口

水道の蛇口を新しくした。

レバーを上げると水が出る型が増えてるなと思ってたら、阪神大震災がきっかけだそうです。
知りませんでした。
落ちてきた物がレバーに当たって、水が出っぱなしになったので、逆にしたそうです。

昔は、レバー式はなかった。
小学生のころ、漫画雑誌の「おもしろ英語」で、「水道」は「ヒネルトジャー」というのに感心した。

「饅頭」が「オストアンデル」だったのは、感心しなかった。

学校には、水道の蛇口がならんだ場所があって、「水飲み場」と呼ばれていた。
先生は、生水を飲んではいけないといっていたが、「水飲み場」なんだから、いいじゃないかと、生意気なことを考えていた。

水道水はうまかった。
夏、野球をした後は、特にうまかった。
あんなうまい飲み物は飲んだことがない、といいそうになる。

水飲み場」の蛇口は、いくつか、上向きに捻じ曲げられていた。
これは非常に便利であった。

あれは、小学生が捻じ曲げたのであろうか。
何年もかかって、少しずつ捻じ曲げていったのであろうか。

近所の原っぱで、よく野球をした。

北野さんのおじさんが、時々見物していた。
仕事はしてなかったのかな。
にこにこ、しょぼしょぼした顔だった。

母は、「あの人は子供好きだ」といっていた。
私は、「子供好きって、どういうことか」と不思議に思った。

あるとき、おじさんが、大きなやかんに水を入れて持ってきて、皆に飲ませてくれた。
非常にうれしかった。
今でもおぼえているほどうれしかった。

北野さんのおじさんは、原っぱに、やかんで水を持ってきて飲ませてくれた人として、一生記憶に残るであろう。
不思議である。

昔も、お湯が出る表示の蛇口があった。
ひねってもお湯は出なかった。
子供のころの謎の一つであった。

小田実の『何でも見てやろう』だったと思うけど、アメリカでは、お湯が出る表示の蛇口をひねれば、必ずお湯が出た、と感心しているのを読んで、さすがアメリカ!と感心した。

なぜ、「蛇口」というのだろうか。
蛇みたいだからか。
「カラン」ともいうが、カランというのは、オランダ語で鶴ということらしい。
やはり、形からきてるのだろうか。

水道屋さんに聞いてみた。

「形じゃありません。ジャーッと出るから蛇口です」
「え〜かげんにしなさい」
「ほんとにねっ」