カルチャーセンター人物画教室。
熟年あるいは高齢女性が多い。
皆さんそれぞれ忙しい。
親の介護、夫の入院、娘の出産、孫の世話。
自分の身体が心配という人もいる。
「いつまで続けられるか・・・」と皆さんよく口にするけど、現実味がありますよ。
ひと月ぶりにAさんが出席。
娘さんの主人が手術をするというので千葉県に手伝いに行ってた。
手術が無事すんでから地震だったそうです。
病院がいかにゆれたかを話してるところへ、何ヶ月ぶりかでBさんが顔を見せた。
80歳の女性で、長く休んでるので、どうしたのかと思っていた。
心臓が悪かったそうで、一応落ち着いたけれど、もう教室に通うのは無理とのことであった。
長年お世話になったので、先生や皆さんにごあいさつと思って出てきました、とそれぞれにあいさつ。
女性同士の長い付き合いで、皆さん名残惜しそうである。
がんばって出ておいで、と励まされていたが、その元気はなさそうだ。
Bさんが、私の方へトコトコやってきて、「会えてよかったわ。あなたにもお礼を言いたかったのよ」と言ったとき、一瞬、なんか勘違いしてるんじゃないかと思った。
お礼を言われることなんかないのになあ、と思ってたら、「いつも荷物持ってもらって」
Bさんと、時々地下鉄でいっしょになる。
地下鉄の駅からカルチャーセンターまで、階段がある。
上って、降りてまた上る。
そんなに長くはないけれど、足や心臓が悪い人にはつらい階段なのだろう。
Bさんは、絵の道具をショッピングカーに入れて引っ張ってくる。
階段のところでショッピングカーを持ってあげていた。
特にお礼を言ってもらうほどのことではない。
恐縮である。
Bさんは、私のような若い男に荷物を持ってもらって、ちょっとした気遣いがうれしかったようです。
あと15年して私が80歳になったとき、65歳の若い女性に荷物を持ってもらったらうれしいかもしれない。
よろしくお願いします。