散髪に行く。
午前9時半ごろ店に入ったら誰もいない。
「おはよう」と言ったら奥さんが出てきた。
「朝早くから何しに来た?」というような顔である。
「朝早くからすみませんねえ」と言ったら、アハハと笑った。
「もう少しゆっくりしていたかったけど客が来たのなら仕方がない」という感じで主人が二階から降りてきた。
肩身の狭い思いで散髪してもらってたら、入り口で誰かがごそごそしてる。
奥さんがドアを開けたら、80歳くらいの女性であった。
すぐ近くの人でこの店の常連さんらしい。
傘を差して杖をついてるのでドアを開けるのが大変だという。
私の隣のイスに座って、「先月、兄がなくなりましてね」と話し出した。
主人も奥さんも、「え〜!」と驚いた。
「お元気そうやったのに・・・急でしたね」
「・・・急ていうても・・・まあ、94歳でしたからねえ」
津波の話しになった。
その方の姉さん一家が気仙沼で被害にあったそうだ。
娘時代から気仙沼にはよく行ったけど、昔は二日がかりだったそうだ。
大阪から夜行列車で行けばいいのだが、若い娘が夜行では心配だと、大阪を朝出て東京で一泊。
翌朝上野を出発して夕方姉さんの家についたという。
「そんな時代でしたなあ」
時代と言えば、「さるさる日記」がなくなるのも時代の流れだそうだ。
ネット上で、昔利用していた人たちがなつかしがってる。
なかには、「まだあったのかと驚いた」という人もいる。
驚くのはいい方で、ののしってる人もいた。
「旧態依然たるサービス」を「漫然と」続けてきた運営会社を厳しく批判してる。
「さるさる日記」というのは、とにかく時代遅れらしい。
運営会社を批判するだけではない。
利用者もボロカスだ。
「未だにこんな古臭いサービスを利用してるのは、惰性で続けてる人か、新しいブログに移行する気力も知識もない人たちだけだ!」
そ、そこまで言わなくても・・・。
たしかに、気力も知識もない。
それは認める。
しかし、惰性にしろ一年、二年続けるのはたいへんなんすから。
「さるさる日記」の利用者は16万人いるそうだが、半分は、「今日から日記を始めます」という宣言だけで終ってると思う。
残りのほぼ半分が、二、三日書いて終わり。
そこへ行くと私なんか・・・。
いや、まあいいです。
時代です。