「第一次世界大戦」で思い出すのはHさんです。
母が入っていた要介護老人施設にいた女性で、同じ話をエンエンと繰り返す人でした。
「私は大正8年生まれ。いちきゅういちきゅう!欧州大戦が終わってから生まれたの。欧州大戦が終わってから生まれた女を近代女性というのよ!」
何度も聞いたので、大正8年は西暦1919年で、第一次世界大戦は1918年に終わったのだとおぼえました。
戦争はなんでも残酷ですが、『ヨーロッパの100年』で読む第一次大戦の話も胸が悪くなります。
それでも、著者によれば、第一次大戦は「規模こそ大きいもののまだ旧式の戦争だった。それは近くから敵の目を見て行う戦争だった」ということです。
どれくらい近くか。
ある戦場では、イギリス軍とドイツ軍が、6、70メートルの距離に陣地を構えていた。
ドイツ兵が合唱するとイギリス兵が拍手したりした。
それを、「戦場でこのようなことがあってはならない!」と怒ってたのがヒトラー伍長だそうです。
6、70メートルでも驚きますが、6、7メートルの距離にバリケードを築くということもあったそうです。
どんな戦争じゃ?
残虐な殺し合いのなかの、笑い話みたいなのも紹介されてます。
互いの「調理車」は攻撃しないという「キマリ」があった。
味方の兵隊が撃たれるのはいいけど、調理車を砲撃されるのは困る。
まあ、わかるような気もしますが。(-_-;)
食事中は攻撃しないという「キマリ」もあった。
トンネルを爆破するのは夜中の2時から朝の6時まで、という「キマリ」もあった。
その時間帯を避ければトンネルで爆死することはなかった。
ドイツ軍とイギリス軍の間で、「互いに砲撃しない」という約束ができていた戦場もあったそうです。
大砲は関係ない方向にかなりハデに撃つので、音だけ聞いてると激しく戦ってるように思えたそうです。
人間、ほんとにいろんなことを考え、いろんなことをするもんですね。