きのう、高校時代の美術部の後輩T君と飲みました。
待ち合わせまでに、大阪市立美術館でやってる北斎展を見に行きました。
すいてると思ったのに大勢の客でびっくりしました。
浮世絵版画をまともに見るのは初めてで、作品が小さいのにもびっくりしました。
会場は暗く、作品の前には人だかりで、ちょっと離れて見るとなにがなんだかわからんし、すっかり見る気をなくして、10分ほどで出ました。
出たところでいろんなものを売ってました。
北斎の版画の現代版も何万円かで売ってました。
色鮮やかで版も大きかった。
明るいところでこういうのを見るほうがいいと思いました。
せっかく1300円払ったのに10分ではもったいないから、常設展を見ました。
仏像や仏具、経典など充実したコレクションです。
重要文化財もたくさんありました。
まったく同じような仏具が並んでて、ひとつは重要文化財でひとつは重要文化財ではない。
どこがちがうのかわかりません。
経典などを入れる箱が展示してありました。
その箱の表面に白い小さな紙が貼ってあって、「××第四号」と書いてある。
「××」は、普通の漢字でしたが、忘れました。
この張り紙がなにか非常に気になりました。
T君と、いつもの店で飲みました。
彼は、退職後、陶芸をしてます。
週一度教室に行ってる。
陶芸をはじめて二、三年した頃、彼が、「陶芸もいいけど、作品がたまるので困る」と言ったとき、イヤな予感がしました。
で、できるだけ陶芸の話は避けるように気をつけてました。
あるとき、この店でおかみさんと話してたら、彼が「皿か鉢か、店で使うものをなにかプレゼントする」と言いました。
おかみさんは、しばし考えて、「じゃあ、箸置きを」と答えました。
頭いい!と感心しました。
箸置きなら無難ですよ。
おかみさんは、箸置きで済んだつもりだったでしょうが、その後、小皿、小鉢と彼のプレゼントは続きました。
いつだったか、この店で飲みながら、彼と鍋料理の話をしてました。
鍋料理の話をしてるつもりだったのに、いつのまにか、鍋料理の材料をならべる大きな皿を、彼が私にプレゼントするという話になってしまったのには驚きました。
次に会うとき、彼は、力作の大皿を持ってやってきました。
非常に重かったです。
さて、きのう、彼はおかみさんに、また何かプレゼントしようと言い出した。
おかみさんは、しばし考えて、「このくらいのがほしい」と、手で形を作りました。
「小皿か?」
「いや・・・」
「小鉢か?」
「いや・・・こんな形で、こんな深さのものですやん」
「わかった。何個作る?」
「ひとつ」
「ひとつ!?・・・店で使うのと違うん?」
「ウチの猫がミルク飲むのに・・・」
「ネ、ネ、ネコ!!!!ネコなんか・・・」
「や!猫なんか、って、うちに14年いる可愛い可愛い大事な大事な猫ちゃんですよ!」
「14年!化けて出るで」
「しっつれーな・・・ウチの猫ちゃんは・・・」
二人のののしり合いは続くのであった。
皿と猫の恨みが重なって恐ろしい怪談に発展しそうなのであった。