新聞の訃報欄を読むのが好きだというと、悪い性格だと思われるかもしれない。
思われるかもしれないが、好きなものはしかたがない。
なぜ好きなのか。
人が死ぬのが好きというわけじゃない。
と思います。
たぶん、訃報欄の文章が、スッキリとまとまっていて読みやすいからだと思う。
作文の基本である「5W1H」だったか、「8W3H」だったか忘れたけど、訃報欄ではしっかり守られていると思う。
「いつどこで誰が何をした」
これがわからないような「訃報」はない。
読んでいてイライラするとか、一体何を言いたいのだ!と腹を立てるとかいうこともない。
一読スッキリ腑に落ちる、これが訃報欄の良さである。
しかし、毎日いくつもある訃報の中には、一瞬首をひねるようなのもないわけではない。
今日の朝刊に、某社元社長の訃報が出てた。
93歳で亡くなって、「喪主は長女の北京子さん」と書いてあるのを読んで、変わった名前だなと思った。
「長女のペキン子さん」???
「喪主は長男の良夫さん」とか、「喪主は長女の良子さん」という感じで読んでしまったのだ。
「ペキンで生まれたからペキン子なのかなあ」と首をひねったのは一瞬で、頭の回転の早い私はすぐに、「キタキョウコさん」ではないかとひらめいた。
私みたいに頭の回転の早くない人は、「ペキン子さん」と思いこんだままだろう。
思い込まれた方は迷惑である。
しかし、「ペキン子」の可能性もゼロではない。
拙速の判断は避けたいと思う。