神戸に行きました。
4歳5ヶ月のはなちゃんが、カードを持ち出して、「ゲームをしよう」と言いました。
トランプカードじゃなくて、子供向きの絵を描いたカードです。
ゲームの仕方を説明してくれます。
「あのね、カードを裏返しにならべてね、同じ絵を二枚当てたら勝ちなの」
ふむふむ。
「神経衰弱」ですな。
三十年ほど前、はなちゃんのママともしましたよ。
はなちゃんのママはけっこう「神経衰弱」は強かったです。
はなちゃんのお手並みはいかに?
はなちゃんがカードをならべ始めたのを見て、「ありゃりゃ!」と思いました。
なんと、カードを表向けにならべるんです。
「はなちゃん、はなちゃん。カードは裏向けにならべるんでしょ」
「う〜〜ん、だって、はなちゃん、勝ちたいんだもん」
うっ!
そ、そうなんですか。
そういうの、ありですか。
「はなちゃんから取るよ。じゃあね、これとこれっ!」
「あったり〜!」
「わ〜い!」
はなちゃんが喜んだのも束の間。
2歳になったばかりのことちゃんが、せっせとカードを回収し始めました。
「んも〜〜〜!ことちゃん!だめでしょ!」
ことちゃんは知らん顔で、手当たり次第にカードを集めます。
手に持ちきれなくて、紙袋を持ってきて、ぜ〜んぶ入れてしまったので、はなちゃん実用新案出願中の「表向き神経衰弱」はおしまいになりました。