「小さな家シリーズ」を読み返して、以前読んだ時と印象がちがいました。
前は、「頼りになる、たくましくやさしい、いいおとうさん」と思ったけど、今回は、「とんでもないところに家族を引きずっていく困ったおとうさん」という気がしました。
で、続きを読みたくなって、『長い冬』を買いました。
一家が引っ越した街、といっても、鉄道開通と同時に出来たばかりの、人口数十人の街ですが、その街での「冬物語」です。
長く厳しい冬、というようなもんじゃない、といえばいいのか、文字通り長く厳しい冬、といえばいいのか、ようわからんほど長く厳しい冬の物語です。
家族全員、いや、街の人全員、餓死か凍死かというような、えげつない話です。
当時子供だったローラさんが、60歳を過ぎてなつかしく書いてるからなんとか読んでられますが、もうほんとにサバイバル!限界ギリギリ!という感じです。
舞台は、アメリカ北西部の開拓地ということですが、南極か北極みたいです。
べつになんということのないある日、日が陰ってきたかと思うと、ド、ド、ドバ〜〜〜〜!と凄まじい猛吹雪がいきなり始まるんです。
いきなりでっせ。
天気予報なし。
予備知識もなし。
インディアンのおじさんが、「雪、つもる。7ヶ月続く」という謎めいた言葉を残して去るだけです。
それを、「ぽか〜ん」と聞いてる街の人たち。
外にも出られないような猛吹雪が三日続いて、一日晴れてまた三日。
それが延々と続く。
温暖化とはいえ、舞台になった場所は今でもこうでしょうか。
だいぶ前に、ネットでアメリカの気象学関連のページを見てたことがあります。
そこで、アメリカ中西部の雲の写真を見て震え上がりました。
雲ですよ。
空の雲。
世界にこんな恐ろしい雲があるのか。
いろいろ恐ろしい雲があります。
入道雲なんか可愛いもんです。
悪夢の中に出てくるような雲が、アメリカにはふつうにあるんだと知って驚きました。
アメリカ、ふつうじゃないですよ。
「小さな家シリーズ」を読み返して、アメリカ人てすごい人たちなんだなあと思いました。