耳鼻科の病院に行ってきました。
鼻詰まりという、色気のない症状である。
いや、色気のある症状なんてないか。
3週間ほど前から鼻がつまって、風邪だろうと思ってたのが、なおらない。
かかりつけの内科のお医者さんに診てもらったら、風邪ではないし花粉症でもないだろうとのこと。
「漢方薬を一週間のんでみて、よくならなければ耳鼻科に行きなさい」
「はい」
「まあ、どうせたいした病気じゃないですワ」
ムカっとした。
この言い方、気に入らんね。
「たいした病気じゃないですワ」と言われたら、喜ばなけばならない。
ところが、ムカっとした。
バカにされたようなというか、軽く扱われたようなというか、困った私です。
で、耳鼻科に行きました。
耳鼻科には50年以上行ってない。
駅前の耳鼻科に入ると、50年以上前の懐かしい耳鼻科の雰囲気が漂っていました。
先生は、70代半ばと思える男性で、見るからに温厚篤実という感じで、50年以上前の耳鼻科の先生の雰囲気を漂わせていて、思わず、「先生!お久しぶりです!」と手を握りたくなりました。
鼻の穴を突っつき回されました。
涙が出ました。
さんざん鼻の穴を突っつき回した先生は、温顔に笑みを浮かべ、「だいぶ、いじめてしまいましたなあ」と言われた。
実にいい笑顔で、この先生のためなら鼻の穴をいくら突っつき回されてもいい!と思いました。
「花粉症でしょうか?」
「う〜ん・・・花粉症みたいなとこもありますなあ」
「検査してもらったほうがいいでしょうか」
「いや、まあ、たいしたことないですワ」
「花粉症になったことはないんですが」
「いや、まあ、なんにせよ、たいしたことないですワ」
「そうですか。どうせ私の鼻詰まりなんかたいしたことないですよ。フン!」と言おうと思ったけど鼻を突っつき回されたあとなのでスースーしてしまって、「フン!」と言えなかったのは残念であった。