若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ひねり

「ひねり」があると難しい。

顔を描くときの「ひねり」です。
まっすぐの顔でも難しいけど、ひねりがあると難しさ倍増です。

美術予備校で、私と同年代の男性Aさんが、「アリエス」という石膏像を描いてます。
このアリエスは、ちょっとうつむいてるんです。

うつむいた顔を描くのはむずかしい。
私も描いたからわかるんです。

ちょっとうつむいてるんだからちょっと難しいだろうと思うのは素人の浅はかさで、ちょっとうつむいただけでとても難しくなる。

人間の目は、垂直水平に慣れてるんだと思います。

で、ちょっとひねった顔を描く練習をしました。
先日はなちゃんが来たときとった写真のなかに、ひねった顔があったんで、それを描きはじめました。

難しいです。

描き始めたばかりですが、耳の位置、鼻の位置、目の並び方、修正に修正を重ねてます。

まっすぐの顔でも一苦労ですが、こういう傾きになると、二苦労どころじゃないです。

世の中には、そんな苦労と無縁の人もいます。
見たままに描けてしまう。

アメリカの有名イラストレーターの話。
戦後すぐから広告の世界で大活躍した人で、素晴らしき美男美女を描きまくって稼ぎまくった。

この人は、子供時代から絵がうまかった。
小学校で、「この花を描きなさい」といわれると、その花が描けてしまう。
この犬を描きなさいといわれると、その犬が描けてしまう。
とにかくそのまま描けてしまう。

高校の時、複雑極まりない機械装置を描く課題が出た。
それでもそのままに描けてしまう。

作品を提出したら、先生が、「なんじゃこれは?君にこんなものが描けるはずがない!」と言って、点をくれない。

では放課後描いて見せますから見て下さい、といって、先生の前で描いて見せた。

ところが先生は、「なんかおかしい!」といって「B」しかくれなかったそうです。

描くところを見ても信じられないくらいうまいって、どんなんじゃ?