今日は、自主防災防犯会主催の防犯講演会でした。
毎年、警察の生活安全課長を招いて公民館分館で行っています。
演題は、もちろん「振り込め詐欺」です。
毎年です。
高齢者の町というより、超高齢者の町では、それしかないです。
このあたりは超高齢者の町ですが、健全な超高齢者ばかりではない。
ヘンな人もいますよ。
講演が終わると、隣の自治会のAさんが手を上げた。
Aさんは、ヘンな高齢男性です。
ヘンなことを言うんじゃないかと思ってたら、「私が振り込め詐欺のオトリになります!」と、生活安全課長に宣言しました。
電話がかかったらどうすればいいのか、悪い奴がウチに来たらどうすればいいのか、どうやって時間稼ぎをすればいいのか、熱心に聞いてました。
「課長!いっしょに悪い奴を捕まえましょう!」
課長は、苦笑いしながら、「積極的にオトリになりますと言っていただけることはほとんどないのでありがたいです」と感謝の言葉を述べました。
Aさん以外のまともな方から、まともな質問も出て、無事終了、と思ったら、ウチの町内のヘンな男性Bさんが、つかつかと課長に近寄った。
Bさんは、Aさんをしのぐヘンな人です。
Bさんに捕まったら1時間は覚悟しなければならない。
わけのわからん話を1時間です。
Bさんは、課長に話し出した。
二十年ほど前、犯罪に巻き込まれて、その犯人の目星はついている。
尻尾は捕まえている。
真相は99%わかっている。
「あとの1%がわからんのです。DNAといっしょです」
突然DNAが出てきて、課長もびっくりしたようですが、実に辛抱強く聞いてました。
どこかでやめさせようとしたんですが、Bさんの話には切れ目がないので、延々と続いてしまう。
Bさんの後ろで、私と同年配の女性が、何か相談でもあるらしく、じっと待ってるんです。
Bさんの話を早く終わらせなければと焦りました。
私が、「Bさん、あとは課長にまかせましょう。きちっと処理してくれますよ」と言ったら、やっと納得したか、Bさんは帰りました。
で、女性の番になって、女性は課長に話し出した。
私は、Bさんを見送って、後片付けをしてました。
女性の話も長かった。
非常に込み入ったややこしい話のようであった。
やっと女性の話がすんで帰ったので、課長にあいさつに行きました。
「さっきの男性は、ウチの自治会の人なんですが、ちょっとヘンな人でなんです。どうも失礼しました」
「いやいや、今の女性の方がずっとヘンなんです」
何年も前から何度も警察に相談してる方だそうです。
自宅の天井裏に賊がひそんでるというんです。
署員が何度も調べに行ったけど、異状ないんだそうです。
天井裏に今もなおひそむ賊について課長に訴えてたようです。
課長が、「いろんな方がおられるので大変です」というので、「課長はそれで給料もらえるからいいじゃないですか。私ら自治会の役員は、ボランティアでヘンな人の相手してるんですよ」と言ったら、「ごくろうさまです」とねぎらっていただきました。