ジェイムズ・オーティスの『プリマスのメアリー』を読みました。
この本は、メイフラワー号に乗ってアメリカに渡った少女メアリーの物語です。
これまでに、同じシリーズの『ニューアムステルダムのピーター』と『ボストンのルース』を読みましたが、時代的には、これが最初の物語ということになります。
お話のパターンは、全部同じで、苦難の航海、苦難の新大陸です。
メイフラワー号も知ってましたし、ピルグリムファーザーズも知ってたけど、このシリーズを読んで、「いったいどんな人たちだったのか?」と思いました。
自分たちの信仰を貫くための共同体を作りたかった、ということだと思いますが、そういう気持ちはぜんぜんわからない。
イギリスのスクルービというところに住んでいた人たちが、ブルースターという人の考えに激しく共鳴して、イギリスに住んでいては思い通りの信仰を続けられないから、オランダに渡るんです。
10人や20人じゃないです。
100人、200人の単位です。
しばらくオランダにいたんですが、新大陸で自分たちだけの世界を作ろうとして、まず第一陣がメイフラワー号で海を渡る。
すべてを捨てて。
女房子供を連れて。
わけわからんです。
第一陣は、一年もたたないうちに半分死んでしまう。
飢えと病気でこの先どうなる、全滅かというときに、なんたることか第二陣が到着してしまうんです。
あとに残された奥さんや子供たちがやってきたんですが、喜んでいいのか悲しんでいいのか訳が分からん状態になる。
来た方も、立派な街ができているくらいに思ってたんで、がっくりきて、「イギリスに帰った方がまし!」という人も出てくる。
このシリーズが好感持てるのは、いいことばかり書いてないことです。
信仰じゃなくて、欲得だけの悪党も出てくる。
ボストンのルースも、プリマスのメアリーも、女の子たちはグループを率いる信仰心熱いリーダーの長ったらしい説教にうんざりしてます。
この本には、居留地を脱走する男の子が出てきます。
大騒ぎで探したら、インディアンと暮らしてた。
「インディアンなら働かなくてもいいから」だそうです。
ピルグリムファーザーズの気持ちはわからんけど、この子の気持ちはわかる。