『プリマスのメアリー』は、メイフラワー号でアメリカに渡った人たちの物語です。
信心に凝り固まった人が多かった。
「牧師」とか「神父」とかいう特別の立場を認めてなかったようで、仲間の中から「音頭取り」みたいな人を選んで、その人が説教した。
凝り固まった人の中でも一段と凝り固まった人だから、説教も長かった。
だいたい2時間から3時間の間だったようです。
3時間以上ということはなかった。
集会所に集まって、説教を聞く。
冬のニューイングランドは寒いようです。
凝り固まった人だから、神の言葉を聞くのに暖房なんか許さない。
ガタガタ震えながら聞くけど、ガタガタ音を立ててはいけない。
音を立てたら、長い棒を持った人に頭をたたかれた。
説教を聞くときは、説教壇の左に大人の男がならび、右に大人の女と、女の子がすわった。
男の子はというと、説教壇の前にすわらされた。
そこだと、誰からも丸見えで悪いことができないから。
男の子なんてそんなもんです。
前に読んだ17世紀オランダ絵画の本で、「公証人」というのがよく出てきました。
もめ事の当事者が、公証人の前で「和解文」を作るんですが、その時「証人」がいるんです。
文書を作った人が精神的にまともであって、脅されたりしたのではなく自発的に書いたことの「証人」です。
で、この「証人」になれるのが、たしか男が15歳からで、女は12歳だったと思います。
正確な年齢は忘れましたが、3歳ほど開きがある。
17世紀オランダもニューイングランドも、男はだいぶ見くびられてましたね。
今は?