若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『悪の花園』

テレビで見た西部劇映画です。

この映画のことはまったく知りませんでしたが、典型的なハリウッド西部劇です、と書くと、西部劇通みたいですが、ツウではありません。
ツウではない私が見ても「典型的」と思ってしまうほど典型的だと思いました。

まず最初に三人の男が登場するんですが、全員ひと癖ありそうで得体のしれない感じながらも、ゲーリー・クーパーが主役で正義の男だと一目でわかるし、ややこしそうな男だけどホントはいい人なんだろうと思えるのがリチャード・ウイドマークで、もう一人は前の二人の引き立て役で適当なところで殺されるんだろうなと見当がつきます。

舞台は、もうなんちゅうか典型的西部劇的荒廃的過疎的サクバク的砂埃的な村で、その村の典型的うらぶれ的閑古鳥的酒場で、なんでここにこんなベッピンさんが的女性が意味ありげ的に歌を歌ってる。

その女性が、私にとっての「おとなの女第一号」、「ウエストサイド物語」のリタ・モレノです。

はは〜ん、このリタ・モレノをめぐって男たちがごたごたするのかなと思いましたがちがいました。

リタ・モレノをめぐってメキシコ人のおっさん二人が意味不明的にもめるんですが、最後まで意味不明で、せっかくのリタ・モレノは、ものすごく意味ありげな目つきでものすごく意味ありげ的に歌ったくせに、どういうわけか何のことわりもなく何の意味もなくあっさりと跡形もなく消えてしまいます。

リタ・モレノが消えた後、バトンタッチ的に出てくる、もう一人のなんでこんなところにこんなベッピンさんが的女性がスーザン・ヘイワードで、これが典型的西部劇の女です。

男心を迷わせる女です。

金鉱をめぐる話になってくる。
そして、金と女にアパッチ族がからんできて、広大な西部の風景が堪能できて、派手なドンパチがあって、馬が走りまくって、これぞ西部劇です。

殺されるべき男は殺されるべき時に殺されて、恨むなら殺した男じゃなくて脚本家を恨みなさいよと思ってたら、最後はゲーリー・クーパーとリチャード・ウイドマークが、スーザン・ヘイワードをめぐって男のなんちゅうか、まあ男のアレでいろいろありまして、ここでグッとくる人もあるんだろうなと思ってるうちに、男ウイドマークが死んでしまって、男クーパーと女ヘイワードが馬に乗って去っていくという、う〜ん、まあいいんじゃないでしょうか。

一番気の毒だったのは、メキシコ人のおっさんで、スーザン・ヘイワードに連れられて金鉱へ行く道中、木の幹に傷をつけたり、小石を並べて矢印を作ったり、いろいろ意味ありげな小細工をやるんですが、なんでそんなことをしたのかまるで分らないまま骨折り損的に殺されてしまう。

冥福を祈りたいと思います。