テレビで、西部劇映画『大砂塵』を見ました。
『大砂塵』て『大魔神』と似てるなあと思いながら見たんですが、タイトルが出た時、え?と思いました。
『JOHNNY GUITAR』というんです。
え?あれかいな?と思いました。
『ジャニーギター』という、私たちの世代には有名な曲がありますが、それかなと思ったんです。
タイトルにかぶさって『ジャニーギター』のメロディが流れてきました。
この映画の曲だったのか。
『ジャニーギター』を『大砂塵』という題名にするとは大胆ですが、『ジャニーギター』ではなんのことかわかりませんよね。
『大砂塵』でもなんのことかわからんけど。
『ジャニーギター』というのは、登場人物の名前というかあだ名というか、「ギター弾きのジョニー」です。
ここで、「ジョニー」「ジャニー」問題が発生しますが、ややこしいのでおいときましょう。
タイトルがちょっとややこしいですが、話はもっとややこしい。
主人公は「ビエナ」という女で、彼女に対抗するのが「エマ」という女で、女二人の対決という珍しい西部劇です。
このエマという女は、これまで見た映画の中で最低最悪の女でした。
主人公のビエナは、西部劇の女らしく、謎めいてます。
ジャニーギターという男も、西部劇の男らしく、住所不定職業不明の謎の男です。
二人の関係も謎めいてる。
かつては深い仲だったようですが、なんか知らんけど事情があって五年前に分かれた。
一人になったビエナは苦労に苦労を重ねて、酒場の主人になった。
射撃の名手だったジョニーはどういうわけか銃を捨ててギターだけを持ってる。
ビエナがジョニーを酒場に呼び寄せて五年ぶりに再会するところから映画は始まるんですが、いきなり火花が飛びちる感じで、呼んだのか呼んでないのか、お互い好きなのか嫌いなのか、何が何だかよくわからんうちに、ビエナの今の恋人ダンシングキッドが登場。
三角関係の話かと思ったら、キッドに思いを寄せるエマが登場して、四角関係の話になる。
あとは、テキトーな話というか無茶苦茶な話というか、西部劇ってこんなもんですかね。
ビエナは、はじめのうち女ガンマン!というりりしいいで立ちなんですが、途中から豪華ドレスになる。
たぶん、内面の変化を表してるんだと思いますが、クライマックスで、純白の豪華ドレスになったのには驚きました。
そこへ血まみれの男が逃げ込んできて、ビエナは床に座って男を介抱する。
あっ!純白のドレスが!という心配は無用です。
床に座ろうが血まみれの男を抱こうが、純白のドレスは汚れもせずしわにもならず、ピカピカのピンピン。
そのあとも、純白のドレスのまま、撃たれた男を介抱したり、馬に乗って逃げたり、藪にひそんだりするけど、純白のドレスはピカピカのピンピン。
そういうものなんだと思えば気楽に見てられます。
最後は、その他大勢はバタバタ殺されてしまって、なんか知らんけど、ビエナとジョニーが手を取り合ってにっこり笑ってたんで、お二人の行く手に幸多かれと祈りました。
きれいな色の映画でした。