若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

あの人は今

あの人は今?と思うことはあまりないです。

誰がどうなってようと、というと薄情なようですが、まあ気にならない。

 

たまに思うのは、ヤマハエレキギターを習ってた時に知り合った若者二人です。

二人とももう50歳くらいになってると思います。

 

A君は、私がエレキギターを習いはじめてすぐに同じクラスに入ってきた。

教室に入ってきた彼を見て、暗くてぼんやりした男だなと思いました。

第一印象はかなり当たってた。

 

初日、レッスンがすんで教室を出た私についてきた。

話をしながら近鉄奈良駅について、改札を入ろうとしたら彼が、「ボク、JRなんです」と言ったのでびっくりした。

教室から左へ10分で近鉄奈良駅、右へ10分でJR奈良駅

完全に逆方向なのに私についてきたのに驚きました。

 

改札を入ろうとする私の腕をつかまえて、「そこのベンチでちょっと話しましょう!たばこ一本吸う間!」と言ったのでまたびっくりしました。

22、3歳の若者が、46、7歳のおじさんの腕をつかまえるって・・・。

しかたなく改札横のベンチでおしゃべりして、彼のタバコが済んだので、「じゃ」と立ち上がる私の腕をつかまえて、「もう一本!もう一本だけ!」と彼がせがんだときは、しみじみしてしまった。

 

それから毎週、レッスンが終わると近鉄奈良駅の改札横のベンチで、彼がタバコ二本吸うあいだおしゃべりしてました。

 

暗くぼんやりした彼が、エレキギターを持つと、「地獄の狂獣」に変身するんです。

無茶苦茶な大音量で狂ったように弾きまくる、というか、完全に狂って弾きまくる。

 

そのだいぶ後で知り合ったのが、ボーカル科のB君で、彼も暗くぼんやりしてるんですが、マイクを持つと「地獄の狂獣」に変身するんです。

狂ったように叫ぶ、というか完全に狂って叫びまくる。

 

いつのまにか、どういうわけか、私に近づいてきて、彼のボーカルには私のギターという組み合わせになってしまった。

 

ヤマハの先生に、「若草さんは、A君やB君みたいな子を吸い寄せますね」と言われた。

私はブラックホールか。

 

50歳になったA君やB君を見たいような見たくないような。