録画してあった映画『エド・ウッド』を見ました。
エド・ウッド(1924~1978)はハリウッドで活動した映画監督で、「史上最低の監督」と言われた人だそうです。
お粗末な映画を作って、興行的にも当たらず、批評の対象にもならなかったけど、映画作りに対する情熱を持ち続けたというんですから、まあ、最低かどうかは別にして、エライというか気の毒というかはた迷惑というか。
なぜそんな人を扱う映画を作ったのかというと、モノ好きな人はいるもんで、この人のファンがいるそうです。
最低の監督を扱ってるけど、この映画は最低じゃないです。
見ていてふと思い出したんですが、昔、「ハリウッド史上最低の映画」というのを見たことがあるんです。
まだビデオテープの時代にレンタルビデオ屋に行ったら、「ハリウッド映画史上最低の作品入荷!」と張り紙がしてあった。
タイトルが、『死霊の盆踊り』。
こわいもの見たさで借りました。
なんたって、「ハリウッド映画史上最低」で『死霊の盆踊り』とくれば借りないわけにはいかない。
見ました。
看板に偽りなし!
最低だと思いました。
筋ははっきりおぼえてます。
主人公が夜中に車を運転して墓場に行くんです。
なぜかは忘れました。
すると、墓場で宴会みたいなのをやってて、死者が墓から出てきて踊るんです。
次々に出てきて次々に踊るんですが、全員裸の女性なんです。
で、最低の映画ということはすぐにはっきりと理解できたんですが、理解できなかったことがあります。
夜中に車を飛ばして墓場に行くんですが、はじめ夜だったのが走ってるうちに突如昼間になったかと思うと、また夜になって、また走ってると昼になる。
いったいこれはどうなってるのか。
最低を通り越してると思いました。
で、『エド・ウッド』を見ててふと思ったんですが、エド・ウッドが「ハリウッド史上最低の監督」で、『死霊の盆踊り』が「ハリウッド史上最低の作品」ということは、何か関係あるんじゃないか。
ウイキペディアで調べたら、ありました!
『死霊の盆踊り』の脚本を書いたのがエド・ウッドだったんです。
夜中と昼間がごっちゃになるシーンは、作りそこなったのをそのまま公開したんだそうです。
最低というより無茶苦茶ですね。
長生きはするもんです。
40年前の疑問が一気に解決しました。