録画してあった映画を見ました。
1957年公開のこの映画は印象に残ってます。
当時11歳の私は「巴里」が読めなかった。
「みり」と読んだ。
「つばさよあれがみりのひだ」
なんのこっちゃ?と首をひねった。
1927年のリンドバーグの大西洋横断飛行の映画です。
1919年、アメリカのホテル経営者オルティーグさんが、5年以内にニューヨーク・パリ間無着陸飛行に成功したら25000ドルの賞金を出すと宣言した。
高らかに宣言したのに、挑戦する冒険野郎は一人も現れなかった。
1920年代と言うと自動車がやっと信頼できる移動手段として認められつつあったころです。
飛行機がまだ海のものとも山のものともわからない時代です。
いや、飛行機が空のものというのはわかってましたよ。
そういう意味じゃなくて、え~っと・・・。
さて、私がオルティーグさんなら「挑戦者なし!ラッキー!」と思って25000ドル引っ込めますが、オルティーグさんは「もう5年延長する!」と再度宣言した。
飛行機も徐々に進化して、挑戦者が出てきたというか失敗者が出てきたというか、そんな中で25歳のリンドバーグ青年が成功するというお話です。
映画としてはよくできてると思います。
イヤな場面がないです。
製作に2年近くかかったというのがナゾです。
飛んでるとこだけですからね。
最後の場面はリンドバーグのニューヨーク凱旋パレードの実写フィルムが使われてるんですが、映画の中でここが一番いいというのもつらいとこですね。
「実録」に勝るものはない。
味付けはいらないと言ってしまえばおしまいですが。
あと、日本語題名がすごいですね。
原題は『スピリットオブセントルイス』。
飛行機の名前です。
それを『翼よ!あれが巴里の灯だ』にしたのは翻訳家佐藤亮一さんの神業ですね。
日本題名翻訳史上に燦然と輝く金字塔です。
『翼よ!あれが巴里の灯だ』以外ありえない。
原題がおかしいとしか思えません。