録画してあった映画を見ました。
『我等の生涯最良の年』という題名から「ほのぼの系」かなと思いました。
「社会派ほのぼの系」を狙ってると思います。
1946年製作公開で、アジア太平洋での戦いから復員してきた3人のアメリカ兵が主人公です。
新鮮な設定だと思いました。
いくらアメリカが勝ったと言っても「復員兵」はそれぞれに大きな問題を抱えてた。
3人の主人公のうち一番の戦争被害者は両手を失った若者です。
この人がハッピーエンドで終わるのがいかにもハリウッドですが、まあ救われます。
「社会派ほのぼの系」でいいんですが「社会派」と「ほのぼの系」がうまくかみ合わないとこもあります。
映画を製作したサミュエル・ゴールドウインの奥さんが、1944年に雑誌の特集で復員兵問題を取り上げてるのを読んで、夫に映画製作をすすめたんだそうです。
アメリカ国民の関心も高かったようで、『風と共に去りぬ』に次ぐ興行収入を上げたそうです。
この映画で一番の見どころは軍用機の「使用前」「使用後」です。
映画のはじめのほうで三人が飛行機で故郷に帰る。
その飛行機から飛行場が見えた。
無数のできたてピカピカ塗装もしてない軍用機がぶわ~~~っとならんでる。
それを見たひとりが「戦争が終わったんだからもういらないな」とつぶやく。
当時の実写映像だと思いますが、すごい数です。
日本爆撃のためにこれだけの爆撃機が準備されたんだと思うと恐ろしいです。
これが「使用前」。
そして映画の終わりの方では「使用後」の無数の爆撃機が出てくる。
プロペラ部分を取り外されて、ぶわ~~っとならんでます。
これも世界の戦線から戻って来た実際の機体なんでしょう。
主人公の一人がそれを見て「どうするのか」と聞くんです。
解体してプレハブ住宅の部品にするという答えでした。
戦前に日本のえらい人がこの映画を見てたら戦争する気にならなかったんじゃないかとヘンなことを考えてしまうほど衝撃的映像であった。