『フォッグ・オブ・ウォー:マクナマラ元米国防長官の告白』というDVDを買いました。
2003年のアメリカ映画です。
マクナマラ国防長官は、私たちの世代には超有名だと思います。
アメリカがベトナムで戦争を行っていた時の指導者の一人です。
当時の私にとってマクナマラさんは、自信満々知識満々意欲満々経験満々能力満々、当然傲慢満々、とにかくすべて満々の満々アメリカの中の満々男中の満々男というような印象でした。
大学生の私にとって、圧倒的存在感のある人でした。
で、その満々国の満々男がこけちゃった。
すべて満々でもダメなものはダメ。
満々ってたいしたことないなと思っちゃった。
私にとって、マクナマラさんは、満々のダメ男になっちゃった。
その満々のダメ男が、国防長官でこけたあと、世界銀行総裁になったと聞いたときには驚きましたね。
こけてもえらくなる。
やっぱり、満々の国の満々男はちがうなあ、と感心しました。
その、「マクナマラの告白」をなぜ見る気になったのか。
この映画のことは知りませんでした。
藤原房子さんの本で知りました。
fusk様のブログで知った人です。
いろんな本を書いている人ですが、『大きな歯車のはざまで』という本がおもしろそうだったので買ったんです。
そこで紹介されてた映画です。
マクナマラ元国防長官の告白は非常におもしろかった。
80歳を過ぎたマクナマラさんが、熱く満々に語ってます。
ベトナム無戦争その他、いろいろ質問されて答えてるんですが、映画の中で、マクナマラさんがはっきりと語ってます。
「答えたい質問にだけ答えればよいのだ」
そういう人なんです。
そういう人が、80歳を過ぎて、こういう映画に出る気になった。
おもしろい映画だと思いましたが、ベトナム戦争で死んだベトナムの人やアメリカ兵が見たら、おもしろいとは言わないだろうと思いました。
マクナマラさん、80歳を過ぎてなお満々ですが、満々の中にあわれを感じるのであった。