子供のころ「終戦」という言葉は知りませんでした。
「日本は戦争に負けた」と思ってた。
誰に言われたという記憶はないけど、「日本は負けた」。
これも誰に言われたわけじゃないけど「日本は小さな国だ」と思ってた。
「日本は戦争に負けた小さな国だ」
なんとなく心細い気がしてました。
小学校に行く前からそんな気分だったのは時代の空気なんでしょうか。
「米が足りない」とも思ってた。
ラジオのニュースで「今年は豊作です」というのを聞いてほっとした。
子供らしくないですね。
あるとき、近所の小学生のおにいちゃんが、「日本は小さい国て言うけど、小さいことないで」と言って地図帳を開いて見せてくれた。
日本が真ん中あたりにあって赤く塗ってある。
おにいちゃんは太平洋の島、たぶんハワイを指して、「こんな小さい国もあるんやで。日本はこれや。小さいことないやろ」と言った。
大きい!
ゴマ粒みたいな島と比べると日本は大きかった。
日本てこんなに大きかったのか!
大船に乗ったつもりという気分でした。
子供らしくない。
南極観測船『宗谷』で、「日本はがんばってるんだ!」と思いました。
今の子供たちは日本をどう思ってるんでしょうか。