NHKTV『ファミリーヒストリー』を見ました。
たまに見ることもあるていどです。
きのうはプロ野球の江川投手。
先祖の話だけかと思ってたら、ジャイアンツに入団する時の「空白の一日」も取り上げてました。
当時私の野球熱は冷めてたし長女が生まれたとこだし、「なんか知らんけど規約のすきをついて球団がうまくやったんだな」というくらいに思ってました。
それが我が家にとんでもない影響を及ぼすとは思いもしなかった。
それから一年後か二年後か忘れましたが、たまたま父と母がテレビでプロ野球を見てるところに居合わせた。
巨人とどこかの試合でした。
テレビを見ながら母が何やかやいうんですが、なんだか巨人をひいきするようなことを言うのでヘンな気がした。
母はプロ野球には全く関心がなかったんです。
その母が、巨人の肩を持つようなことばかり言う。
そんなはずはない。
どうなってるのかと思って、「おかあちゃん、巨人を応援してるみたいな言い方やな」と言ったら父が笑って、「お母ちゃんは巨人ファンやで」と言った。
「ええ~~~~っ!おかあちゃんが巨人ファン!?!?」
腰を抜かさんばかりに驚きました。
驚く私を見て父はますますうれしそうに「おかあちゃんは江川のファンなんや」。
「江川のファン???なんで?」
母はまじめな顔をして「かわいそうやないの」と言った。
父の解説によると、「空白の一日」がらみでテレビの番組で江川投手がよくたたかれてるのを見た母が同情したらしい。
「入りたい球団に入れてやればいいではないか。それをよってたかってたたくなんてひどい」
で、プロ野球無関心人間の母が江川ファンになって巨人ファンになった。
古典的典型的良妻賢母、幼にして親に従い嫁しては夫に従い老いては子に従う、もったいないがだまし良いおふくろに驚かされたのはこのときだけですね。
そう思うとちょっとおそいけど私も江川ファンになってもいいみたい。
ついでに思い出した。
大学卒業の年が大阪万博で、美術部の後輩M君が万博見物のため我が家に泊まった。
翌朝出かけるM君を母がつかまえて、「困ったことがあったら私くらいの年の女の人に話なさいよ。自分の息子だと思って親身になってくれるからね」と真剣にアドバイスしてました。
母にとって江川投手は息子みたいだったんでしょうな。