録画してあった『黒部の太陽』を見ようとしたら家内が「また見るの?つまらないから見るのやめたって言ってたのに」と言うんです。
そ、そうだったかな。
ぜんぜんおぼえてない。
そう言われれば前に見たかな。
う~ん、始めに雪山を行くシーンがあったかなとかすかに思い出した。
で、見始めたんですが、雪山を行くシーンでした。
三船敏郎たちが雪山を行く。
向こうの雪山を別のチームが行く。
と、向こうのチームの一人がすべり落ちる。
断崖絶壁に跳ね飛ばされながら落ちていく。
監督は「ご安心ください。落ちていくのは人間じゃなくて人形です」と言わんばかりにきっちりていねいに写してくれる。
そんなにはっきり写さなくてもいいのにと思うほど執念深く人形を写す。
なぜだ。
ここで見るのをやめたのかな。
三船敏郎の厳しい表情のアップ。
黒四ダム建設の犠牲者第一号。
場面が変わると三船敏郎が何かしゃべってる。
あわてず騒がず悲しみもせず黙祷もせず仲間としゃべってる。
それはないでしょう。
犠牲者第一号ですよ。
ここで見るのをやめたのかな。
次に、関電本社での会議のシーンで三船敏郎がすべり落ちる場面を回想する。
で、また人形すべり落ち画像が出る。
次に工事が始まって資材を人力で運ぶシーンになってまた一人登山道から滑り落ちる。
また人形である。
この監督さんは人形がすべり落ちるシーンが好きなんでしょうね。
ここで見るのをやめたのかな。
次に石原裕次郎が登場。
ややこしい人間ドラマみたいなのがはさまる。
ここで見るのをやめたのかな。
次にトンネルを掘るシーン。
命がけの難工事である。
トンネルに裕ちゃん登場。
な、な、なんと、ヘルメットなし!
ここで見るのやめたのかな。
なんにもおぼえてないから最初の人形すべり落ちでやめたんでしょう。