家内の母がなにかしながらよく歌ってた曲があるんです。
おかあさんの青春の歌なんだろうと思ってました。
明るいさわやかなメロディで、いい感じでした。
なにかしながら口ずさんでたんでこっちも聞くともなく聞き流してました。
あとになって、題名とか歌にまつわる話とか聞いておけばよかったと思いました。
親や伯父伯母に聞いとけばよかったということはいくらもあります。
若い時はそんな気にならない。
そんな気になった時はもう遅い。
何年か前、ふとあの曲は何だろうかと思った。
手がかりは歌い出しの「♪赤き翼・・・」とサビの「♪いざ行け・・・」だけ。
名曲だと思うんですが「なつかしのメロディ」とかでも聞いたことない。
インターネットで調べたんですが出てきたのはひとつだけ。
「戦前の歌謡曲一覧表」みたいなのの中に『赤い翼』という題名が出てきただけ。
きのう家内と古い歌について話してて『赤い翼』が気になった。
今回は「ユーチューブ」という強い味方がある。
物好きな人たちがいろんなどうでもいい情報を発信してる。
で、「赤い翼」で検索したら無茶苦茶に出てきた。
ゲーム関係が多い中にレコードもいくつかありました。
日本ポリドールから出てるのは、「赤い翼:日本ポリドールダンスオーケストラ:三味線豊吉」というSP盤ですがこれは音は聞けなかった。
豊吉ってどんな人かと調べたら戦前戦後にかけて大活躍した人で、有名歌手の伴奏に引っ張りだこで、ラジオの人気番組『とんち教室』にも出た超売れっ子でした。
次に見たのは、たぶんSPレコードファンが手持ちのレコードを披露しようという動画で、まずレコードの大写しから始まった。
これもポリドール。
「赤い翼:歌:天野喜久代:作詞:サトウ・ハチロー:慶應義塾マンドリンクラブ」
マンドリン伴奏が始まるとすぐ「これだ!」と思いました。
あ~~~~、すっとした!
ウイキペディアによれば、天野喜久代(1897~1945)は日本のポピュラー音楽の開拓者だそうです。
1927年二村定一という人と歌った『アラビアの唄』が20万枚の爆発的大ヒット。
1931年の『赤い翼』も大ヒットしたそうです。
作詞者の名前だけ書いてあって作曲者を書いてないのはヘンだなと思ってたら、この動画を見て投稿した人があって「これはシューマンの『楽しき農夫』ですね」と書いてた。
家内に言ったら、「あ!似てると思ってたのよ!」と声をあげた。
子供のころから母親が歌うのを聞いてたけど、中学で『楽しき農夫』を習って「なんだか似てるなあ」と思ってたそうです。
サビの部分はちがうんですが、まあうまくパクったという感じかな。
違和感なく盛り上がってます。
ところが他に日本コロムビアから出てるレコードがあって、これは「赤い翼:小学校高学年向舞踊曲:コロムビアオーケストラ:作曲:草川啓」となってます。
聞くと同じメロディです。
「作曲」はおかしいと思います。
いろいろ書きましたが、結論としては、私が聞いてすぐ「名曲だ!」と思ったのはシューマン作曲だったということで私の音楽センスも立派なもんだということになるのではなかろうか。