NHKテレビの『国語元年』というドラマがありました。
明治新政府の文部省の役人が「標準語」を制定しようと悪戦苦闘する話でした。
そんな事実があったのか調べてたら福岡県立大学教授岡本雅享さんの論文が見つかった。
『言語不通の列島から単一言語への軌跡』というタイトルです。
明治6年ごろ文部省の役人が「今の日本では地方によって話し言葉が通じない。これではダメだ」というようなことを主張してるんですね。
井上ひさしさんはそれを見て『国語元年』を思いついたみたい。
岡本雅享さんは出雲出身で1967年生まれですが、おばあさんの話すことの3割ほどは理解できなかった。
奥羽、薩摩、出雲を日本三大方言という説があるそうです。
奥羽と薩摩はわかるけど出雲方言というのは聞いたことない。
岡本さんが紹介してる話を読むと出雲方言はすごい。
1993年広島の人が出雲の平田というところに電話工事に行った。
ある店にいたら客が来て電話機を指して「かーかかーか」と言った。
それに対して店の主人が「かかー」と答えた。
次に客が店の前に置いてあったバイクを指して「かーかかーか」と言った。
主人は「かかー」と答えた。
出雲方言はすごいというよりむちゃくちゃというよりこれってことばなんですか。
私には忘れられない「方言体験」ならぬ「標準語体験」があります。
祖母は東京の人だったんですが私は祖母の言葉を意識したことなかった。
変わってると思ったこともなかった。
小学2年の時国語の時間にあてられて教科書を読みました。
読み終わると若い女の先生山口先生が「若草君はおうちに東京の方がおられるんですか」と聞いた。
私は「東京の人」の意味が分からず黙ってた。
帰って母にそのことを話したら笑って「おばあちゃんにみてもらってるからねえ」と言った。
国語の教科書朗読は祖母にみてもらってたようです。
もちろん私の標準語は国語教科書朗読だけ。