若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

パンタロン

生後2か月のてっちゃんです。

落ち着いたもんです。

「よきにはからえ」とてっちゃんに言われるまでもなくよきにはからわざるを得ない雰囲気です。

腕のたたみ方こぶしの握り方も絶妙で、ホモサピエンス仕様だと思います。

ちょっと見たところボクシングの構えに似てます。

接近戦に持ち込んでパンチをくらわす作戦か。

 

 

時々声のようなものを発しますが「てっちゃんの声」というよりこれも「ホモサピエンスの声」と言った方がいいように思います。

「たえなる」という形容がふさわしい声です。

 

 

しみじみとてっちゃんを見てたら幼稚園年長みいちゃんがなんか言ってくる。

うすい紫色のズボンをはいてて、どうやらすそが広がったズボンの話をしてるらしい。

で、「それはパンタロンというんだよ」と教えてやったら納得がいかない様子であった。

「すそが広くなったズボンでしょ」

「うん」

「それはパンタロンって言うの」

「う~ん・・・ママに聞いてくる」

 

戻ってきて「ワイドパンツ!」。

そ、そうなんですか。

 

皆既月食

きのうが皆既月食だというのは新聞やテレビで見て知ってました。

知ってましたが関心なかった。

関心ないというよりそんなもんが奈良で見られるとは思わなかった。

日食とか月食が見られるのは喜界島とか知床半島とかだと思ってた。

奈良で見られるのは日の出日の入りと満月と三日月ぐらいと思ってた。

ましてや皆既月食レイキャビックとかペナンとかに行かなければ見ることはできないと思ってたんです。

 

ところがきのうの夕方家内が「7時何分かに皆既月食が見られるらしいよ」というんです。

何度も言う。

家内が月食について言及するのは結婚して初めてのことです。

 

何度も言うので6時半ごろだったか庭に出て月の様子を見ることにしたんです。

そしたら家内が「月は東の空に出てるからね」と言うんです。

天文博士みたいなことを言うではないか。

月なんかどこに出てるかわからんじゃろう。

その日によってあっちこっちに出てると思った。

で、庭に出て手当たり次第じゃなかった目当たり次第にあっちこっち見た。

そしたら東の空にお月様があった。

我が家の天文博士の予言通りであった。

 

満月で下の方に雲がかかってると思ったんですがすでに月食が始まってたみたいです。

何度か庭に出て観察したんですが、だんだん隠れて真っ暗になるかと思ったら、ボ~ッと満月状にかすんでました。

 

これ、皆既月食て言うんかいなと思いました。

べつにおもしろいものではなかった。

皆既月食を見るためにレイキャビックに行った人は気の毒だと思いました。

 

 

 

 

アゲハ戦略

アゲハ蝶のすることはだいたいまちがっていないのではなかろうか。

人間は何をするかわからんがアゲハはそう無茶はしないと思う。

無理を重ねたりやけくそになったり一獲千金を夢見ることもないと思う。

地道にまじめにやってると思う。

 

で、これは?

 

アゲハのアオムシです。

ウチの壁にへばりついてサナギになりかかってます。

この壁の手前1メートルくらいのところにキンカンが植わってます。

アゲハはそのキンカンに卵を産んで卵が幼虫になってアオムシになる。

ときどきアオムシになったところでつかまえて飼育箱で育ててます。

つかまえなかったアオムシがどうなるのかは知りません。

キンカンの木でサナギになったのは気づいたことがありません。

鳥に食べられるんだと思います。

 

ごくまれにこの壁にへばりついてるのがいます。

これが不思議。

 

なんで生まれ育ったキンカンを離れて壁を目指す?

壁は垂直で羽化する時に羽を広げるじゃまになるものがない。

それで壁を目指すのか?

そういうことがわかっとるんか?

アオムシとしてキンカンにいる時に「う~ん、サナギになるとしたらあっちやな」と目星をつけてるんでしょうか。

 

でも、目立ちすぎますよ。

食べてくださいと言わんばかり。

鳥対策ゼロ。

すぐ食べられるんじゃないかと思ってたけど今日で4日目、まだ無事です。

食べられることはないという判断なんでしょうか。

 

アゲハのやることにまちがいないとは思うものの心配で、家内と相談してなにかかぶせようかと思ったんですが、アゲハさんにまかせることにしました。

 

 

 

 

すみれの花咲くころ

いらないものを処分しようとしてたら茶色に変色した小さな紙の束が出てきました。

50年ほど前、家内が教育実習をした時に生徒が書いてくれたお別れの言葉でした。

母校の奈良市立中学で2週間英語を教えたんです。

指導担当は恩師の磯田先生。

磯田先生は進駐軍の通訳をされた方でアメリカンな発音で有名だった。

 

いくつかのクラスで英語を教え磯田先生の担任の1年8組では学級会も経験した。

生徒の言うことがおかしくてたまらず授業でも学級会でも笑い転げてばかりだった。

笑い転げる家内を磯田先生が苦虫をかみつぶしたような顔で見てた。

 

とにかくよく笑ったというか笑わされたようです。

 

1年8組の生徒たちの言葉。

 

「初めて教室にいらっしゃったとき、どんな先生だろうと思いました。第一印象はおもしろいほがらかなゲラな先生でした」

 

「先生はとてもよく笑うので楽しかったです」

 

授業風景を書いてる子もいます。

「英語の時間。

A君「・・・・・・です」

先生「ゲラゲラゲラ」

B君「・・・・・や」

先生「ゲラゲラゲラ」

このように先生は笑い上戸だと思います」

 

「先生の笑い泣きの授業はとても勉強になりました」

 

苦言を呈してる子もいます。

「英語の時間はみんなが面白いことばっかり言って先生を笑わす。先生は顔を真っ赤にして笑う。先生が笑うとまた中尾君や関口君がヘンなことを言ってまた先生が笑う。今、先生に一番言いたいこと。もう少し『きびしい』先生になってください」

 

「先生について。

①とてもよく笑う。

②教育実習生の中でスタイルが良くて一番美人」

こう書いてくれたのは自称「1年8組で一番美人」の荒井真理子さん。

 

「先生は美人」というのも多い。

竹内さんは似顔絵も添えてくれてます。

 

 

「楽しかったです。先生はきっといい先生になると思います」というのが多いけど、西岡君は奥歯にものの挟まったような言い方をしてます。

 

「先生は良い先生になれないことはないでしょう」

 

フィナーレを飾るのは小松君です。

 

「僕は先生のために詩を送ります。

 

すみれ

 

すみれの花は美しい

先生はすみれのように美しくやさしい清らかさがある

すみれのような先生、大好きだ

美しくすんだひとみ

すみれの花びらのようだ」

 

やるじゃな~い!(*^_^*)

末恐ろしいです。

 

みなさんありがとう。

先生が、みんなどうしてるかなと言ってますよ。

 

 

ゲーテ曰く

ゲーテ曰く」とくると深遠なことが言われるんだろうと思う。

 

「世の中には自分に向かないことをする人がいる。まちがった道を選んでしまって、本人もうすうす感づいているのにやめられないまま人生のかなりの部分を無駄に費やしてしまう」

 

ゲーテに言うてもらわんでも、という気もします。

 

私のエレキギターがそうですけどヤマハ音楽教室でよく見かけました。

「あんた向いてないんじゃないですか」

サックスが一番目立つかな。

発表会でとんでもなくヘンな音を出す人がいる。

またヘンな音ほど大きく出る。

不思議ですが、たぶんサックスという楽器はヘンな音ほど大きく出るような構造になってるんだと思います。

 

ヤマハ音楽教室には、音楽に向いてる少数の人と向いてない多数の人が通ってる。

 

ゲーテヤマハを知らないのでどういう人を指してるのかは不明。

このゲーテの言葉を引用したのはイギリスの文豪マシュー・アーノルド。

フランシス・ニューマンというえらい学者がホメロスの詩を英訳した。

それをマシュー・アーノルドがボロカスにけなした。

 

けなされたフランシス・ニューマンは怒り狂って反撃した。

反撃されたマシュー・アーノルドはさらに怒り狂って言い返した。

 

「私は古典学者としてのニューマン氏は心から尊敬している。しかしニューマン氏には詩心というものがまったくない。そういう人は詩の翻訳に手を出すべきではない」

 

マシュー・アーノルドは自分が言うだけでは弱いと思ったようで「ゲーテもこう言うとるんじゃ!」とかました。

大論争だったようです。

 

ただし、ゲーテの言葉には続きがあるんです。

「しかし、まちがった道を歩んで無駄な努力をして、求めていたものが手に入らなかったとしても、別の良きものを手にできる事もある」

 

まあ、こう言っていただければ気がおさまりますね。

ニューマン氏は知らんけど。

 

 

 

 

 

 

聖劇

幼稚園年長さんのみいちゃんから張り切って報告。

 

クリスマスに劇をするそうです。

 

「クリスマスの夜のお話だよ。せいげきというもので・・・真剣なものなんだよ」

 

せいげき?

「聖劇」かなと思って調べたらたくさん出てきました。

カトリック系の幼稚園では「聖劇」でプロテスタント系では「降誕劇」と言うそうです。

幼稚園ではなくてはならぬもののようです。

 

「私は天使その3に選ばれたんだよ。セリフはね・・・セリフを言うよ。・・・セリフはね・・・。セリフを言うよ・・・せ~の!『まぶねのなかにしろいぬのにくるまれて・・・』」

 

「せ~の!」はカトリック系でもプロテスタント系でもない世俗のにおいがいたしますがみいちゃんの気合は伝わってきました。

 

「天使その3」と聞いて、昔うちの娘たちが見てたテレビ番組『宇宙刑事シャイダー』に出てくる悪役「ギャル1」「ギャル2」「ギャル3」を思い出してしまった世俗のアカにまみれた私であった。

 

モンテーニュ『随想録』

家内が、「モンテーニュとかパスカルは・・・」というのを聞いてドキッとした。

家内は「哲女」ではありませんし我が家はふだんモンテーニュパスカルの名前が心安げにさりげなくあたりまえに聞こえる家でもない。

それが唐突に家内の口から飛び出したのでドキッとしたわけではありません。

 

はじめ、自分でもなぜドキッとしたのかわからなかった。

私も「哲男」ではないのでモンテーニュパスカルの名前が出ても平気です。

緊張もしないし張り切りもしないしさあ来い!と身構えもしない。

 

それがドキッとした。

原因はパスカルよりモンテーニュだなとひらめいた。

モンテーニュがらみでなんかあったような気がする・・・・。

 

おお!

モンテーニュの『随想録』の英語版を読みかけて忘れてた!

ちょっと読んで完全に忘れてた。

 

言い訳すると、キンドルが悪い。

本だと目に入るけどキンドルだと本の形がないから完全にすっかり忘れてた。

イヤなことを思い出させてくれるじゃないの。

忘れたままでいたかった。

 

私には『随想録』より「備忘録」が似合ってる。(-_-;)