若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

名作事典

新聞の本の広告。

「日本近代文学の古典28作が2時間で読める!」

「28」というのが微妙である。
こういう本は誰が読むのか?
受験生向けなら、28作では少なすぎると思う。

大学時代、「世界の名作」の話になると、そのあらすじをかいつまんで上手に話す男がいた。
大変な読書家だと思って感心していた。
あるとき、私が、「よく読んでるな〜」と言ったら、彼は笑って
「受験生向きの、あらすじだけ書いた本を読んだんだよ」と言った。

おぼえているだけでも偉いと思った。

「世界名作事典」という本が我が家にあった。
百科事典を買ったとき、おまけについていたのである。
かなり分厚い本で、それこそ世界の名作が網羅されていたと思う。

中学、高校時代はこの本をよく読んだので、私も「世界名作通」であった、と思う。
残念なことに、すべて忘れてしまった。
私の脳に聞きたい。
なぜちゃんとおぼえていてくれないのだ。

どういう作品が紹介されていたのか思い出そうとしても何の記憶もない。
今思い出した。
ロシア文学の、「何たる乱脈さ!」という作品が紹介されていた。

ヘンな題だから記憶の片隅に残っていたのであろう。
作者も、内容も覚えていない。
この、「何たる乱脈さ!」というのは、「世界名作事典」に載っていたのであるから一応名作なのであろうが、その後、この作品の名前を聞いたことはない。

私の脳に聞きたい。
あの分厚い「世界名作事典」の中で、なぜ「何たる乱脈さ!」だけおぼえているのだ。