若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ロックの歌い方

昨日の夜、難波のヤマハで「ホンキートンクウィメン」の練習をした。

7日にボーカル科の発表会があって、A君が歌うのである。
ややや君がサックス、ギターが私という強力なバックである。

朝からギターをさげて行く。
ビジュアル系、ルックス重視の私としては、通勤スタイルでギターを弾く気はしないので、ジーンズで出勤。

駅では、いつもの人たちが、ギターを持ったジーンズ姿の私をいぶかしげに見るし、若い女の子が私に近づいて来て
「そのギターはなんですか?単なるイケメンナイスミドルだと思ってたんですが、激シブブルースギタリストだったんですか」
と言われたら
「いーえ、お嬢さん。私はイケメンハードロックギタリストです」
と答えようと思っていたが、そんな人はいなかった。

A君は、23、4歳の若者で、ヤマハを代表するハードロックボーカリストである。
彼の歌い方は、ハードロックボーカルの王道を窮めた、と本人は思っているんだろうな、というような歌い方である。
「おれのシャウトを聞けっ!」と本人は思ってるであろうが、単にわめいているだけではないのかと言うご意見も多数寄せられるような歌い方である。

歌うときは全身を使って声を絞り出すので、音声を消して画像だけ見ると、激しい腹痛と下痢でのたうち、けいれんして陀羅尼助丸をくれーっ!とわめいている人に見える。

でも、私はA君のボーカルが好きです。

A君はうまくなった。
彼のデビューステージは忘れられない。

レッドツエッペリンというグループの「ブラックドッグ」という曲を歌ったのである。
実に渋い選曲で、この曲を選んだのはよほど自信があるのだろう思って注目していた。

彼の第一声を聞いて私は倒れそうになった。
私ばかりではない。
いっしょにいた、センベー君や丑之助君も倒れそうになっていた。
三人で支えあった。

なんちゅうか、「ヘビーメタルヨーデル」という感じであった。
なんとも頼りないウラ声が、アルプスの山々にこだまするという感じなのであった。

それを思うとうまくなったもんです。

昨日私はA君に、去年の発表会で歌った曲について感想を述べた。
はじめから終わりまで全力で歌わないで、静かに語りかけるように歌う部分もあっていいのではないかと言ったら、彼は答えた。

「大きなお世話です」