若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

北京大ブーイング。やっぱり悪いのはサッカー

重慶に続き北京でも日本チームが大ブーイングを浴びた。
中国の反日教育がどうだとか、相変わらず表面的な見方をする人が多い。
何度でも言う。悪いのはサッカーだ。

サッカーの始まりは、中世イングランドである。
農民たちの土地争いに決着をつけるため、村中総出で相手の村の教会にボールをけりこむまで何日も続けたのが原型だ。
仕事はほったらかしだし、人殺しは当たり前なので、イングランド国王は何度も「サッカー禁止令」を出したが効果はなかった。
粗野粗暴無知文盲の野蛮なイングランド農民の戦いだったのである。

ブーイングを始めたのは、ローマの皇帝ネロである。
剣闘士とライオンの戦いで、キリスト教徒の剣闘士が戦おうとしないので、怒ってブーイングをした。
血に飢えたコロセウムの群衆がそれにならったのが史上初ブーイングである。

グランドを野獣のように走り回る選手を見て、サッカーファンが野獣化するのは当然だ。

ブーイングが逆効果であることは1968年、フィンランド国民によってすでに証明済みだ。
スキージャンプはフィンランドの国技と言われ、多くの名選手を輩出している。
80年代、オリンピック二連覇をとげたマティ・ニカネン、90年代16歳で金メダルを獲得したトニー・エミネンが有名だが、この二人が最も尊敬する選手として名前をあげるのが、60年代の国民的英雄モット・トブネンだ。

68年、彼のワールドカップ5連覇をかけた大会が、フィンランドのゲンジュー渓谷で開かれた。
この大会でトブネンを脅かしたのが、アメリカの新人で思い切った跳躍で人気を集めたパット・トンダローだ。

1回目、トブネンは145mの好記録をマーク。
続くパット・トンダローは持ち前の思い切りの良さでぱっと飛んだ。
トブネン危うしと見た観衆は空に向かって大ブーイング。
狭い渓谷で大観衆がいっせいにブーイングをしたからたまらない、突如上昇気流が発生し、トンダローはグングン上昇、245mという大記録を作ってしまった。

これに驚いた観衆は、トンダローの2回目、ブーイングはやめてスーイングをした。
スースーと空気を吸ったのだ。
狭い渓谷で大観衆がいっせいに空気を吸ったから突如下降気流が生じ、トンダローは踏み切ると同時に墜落、2mという記録に終わり、「トブネン奇跡の逆転優勝」となった。

これ以来ジャンプではブーイングではなくスーイングが主流となっている。