若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

自治会40年

ここの自治会の創立40周年ということで、記念の冊子が配られてきた。

昭和39年に山林を切り開いて宅地として売り出したようだ。
昭和40年の写真を見ると、実にさびしい光景だ。

40年前に、出来立てのほやほやであった町が、私たちが十四年前に来た時は、すでに「老人の町」という感じだった。
子供がいないなー、近所付き合いがないなーと思った。

引っ越して間もない頃、友人のM君が訪ねてきた。
車で来た彼は、すぐ近所で老人に、「この辺に若草さんておたくありませんか」と聞いた。
その老人は、「若草さん?あ〜、あの若夫婦のおる家やな」と言った。
M君は、「若夫婦?・・・う〜ん、その家とちがうな〜・・・」と思ったそうだ。

四十半ばの私であったが、それで若夫婦と言われる町であったのである。
今ではさすがに若夫婦と言われることはないと思うが、私が知らないだけで、ひょっとするとかげで「若夫婦」と言われているのかもしれない。
ま、なんと言われようとかまいませんが。

何の話か。
自治会40年だ。

何人かの方の文章が掲載されている。
当たり前の話だが、昔は子供も多く、夕方ともなるとそれはにぎやかであったそうだ。
子供会も活発で、自治会の会員が子供みこしを作って練り歩いたり、公園で金魚すくいなどをしたこともあるそうだ。
活気のある新興住宅地の情景が目に浮かぶ。

冊子の中である女性が、子供会も自然に消滅し、婦人会もなくなったけれど、あの可愛い子供みこしはどうなったのでしょうかと書いている。

40年前、大阪から移り住んだ「若夫婦」とその子供たちでにぎやかだった町も、子供たちが次々と独立して出て行き、中年の私たちが「若夫婦」になってしまい、いつまでも若夫婦ではつらいなーと思っているうちに、ホンマモノの若夫婦がぼつぼつ現れてきている。

今近所で「若草さんのうち」と尋ねたら、なんと言われるだろうか。
「若夫婦の家」はないな。
「元若夫婦の家」?
「ヘンな夫婦の家」と言われれば本望である。