若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『納税月報』

財団法人納税協会連合会発行の小冊子である。

国税庁長官の「年頭所感」が出ている。

大阪国税局課税第一部長の、「確定申告に向けて」というのもある。
部長は、「今年も確定申告の時期が近づいてまいりましたが、申告のご準備はいかがでしょうか」と気をもんでいる。
「適正な申告と期限内納付を行っていただきますようお願いいたします」と言われると、お願いされてるのかおどかされてるのかわからなくなる。

グラビアページに、大阪生野区の「源ケ橋温泉浴場」の写真がある。
「銭湯」であるが、歴史的銭湯だ。
昭和12年開設。
堂々たる「洋館建て」だ。

二階建ての屋根に、しゃちほこが向かい合って逆立ちしているのはいいとして、正面から見た二階の窓の両側に、自由の女神像が向かい合って立っているのがおかしい。
しゃちほこが「対」だから自由の女神も対にしたのだろうか。

説明によると、二階はダンスホールになっていて、入浴後、ドレスアップした紳士淑女が踊ったりした地域の社交場だったそうだ。
1950年代までは、まるでサロンのようににぎわったと書いてある。

信じられない。
入浴前にダンスをして、その後汗を流したのではないのか。
風呂上りにダンス?
ドレスアップして?

風呂上りに腰にバスタオルを巻きつけて、お尻を振って踊って、これがホントのフロダンス、というならわかる。

生野区には悪いが、生野に紳士淑女とかサロンは似合わない。
戦前から終戦直後にかけては、生野区に紳士淑女が集ったとでも言うのか。
はっきりしてほしい。

この浴場は、銭湯の建造物としては初めて1998年に国の登録有形文化財に指定されている。
ローマの浴場に匹敵する文化遺産だ。

今月号で一番読み応えがあるのは、「会計士の眼、社労士の眼」だ。
税金と社会保険は、国民や企業が負担するという点では同じだが、その位置づけは異なる。

税金には、男女の差がほとんどない。
社会保険では、夫を亡くした女性と妻を亡くした男性などでかなり差がある。

たとえば、就職が困難な状況の人を雇った会社には、「特定求職者雇用開発助成金」という長ったらしい名前の助成金が出る。

この助成金は、母子家庭の寡婦を雇った会社には出るが、父子家庭のお父さんには出ない。
「これがほんとの女性金」と書いてあるのでうれしくなってしまった。

いいぞ!『納税月報』!