政権の総仕上げと意気込む小泉首相に思わぬ逆風が吹いている。
国会での追及に疲れた首相は、心の友ブッシュ大統領に電話をかけた。
以下、若草鹿之助商店盗聴事業部が盗聴した記録である。
「モシモシ、ホワイトハウスですか」
「ハイ、こちらホワイトハウス、電話番のスージーです」
「小泉ですが大統領お願いします」
「失礼ですが、どちらの小泉様でしょうか」
「あのねー、小泉！日本の小泉ですよ」
「失礼しました。セールス電話が多いもので。小泉さん、大変ですね。ヒューザーによる耐震強度偽装事件、ホリエモン逮捕、おまけにウチの牛肉まで」
「よ〜知っとるやないか」
「思えば去年の9月11日が絶頂でしたね。衆議院選挙での大勝利、296議席という久々の自民単独過半数、公明党の31議席と合わせて三分の二の安定多数」
「細かい数字までよく知ってますね〜」
「イエ〜ス、マイネームイズスージー。数字につよ〜い」
「えーかげんにしなさい！」
「ほんとにねっ！」
「大事な話があるんです」
「では、ライス国務長官にかわります」
「なんでやねん！大統領ていうてるやろ！」
「え！皆さん大事な話は国務長官とされますが」
「じゃあ、ライスさん・・ってちがうがな！」
「いいんですね、知りませんよ。ハイ、大統領です」
「モシモシ、小泉です」
「失礼ですがどちらの小泉さん？」
「あのねー、小泉ですよ！日本の小泉！」
「アーハッハ！ジョークジョーク！」
「しょーもない！ブッシュ大統領閣下、あなたにトップに立つ者の孤独、つらさを聞いてもらいたくて。わかるでしょ、あなたもアメリカ政界のナンバーツーとして様々な・・・」
「ちょっと待て！誰がナンバーツーじゃ!またスージーが何かいらんことぬかしたんやな！あの女もおとなしー電話番だけしとりゃええのに、よけいなことべらべらしゃべりくさって！あのなー、ジュニチロー」
「ジュ、ジュ、ジュニチロー！何べん言うたらわかるん？ジュニチローとちがうって。ジュン・イチロー」
「ジュン・イチロー？え？ほな、あの野球のイチローといっしょ？」
「そう！純粋なイチローという意味です」
「それも言うなら、単純なイチローやろ」
「あんたに言われたないワ！で、ブッシュ大統領、ホリエモンのことやけど」
「逮捕された男をニックネームで呼んでどうする」
「失礼、で、ブッシュ容疑者・・」
「ハイ、って誰が容疑者じゃ！」
