若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

連休の谷間

連休の谷間の出勤であるが、連休の谷間じゃない人もいるだろう。
連休の谷間的朝の駅で家族連れを見かけることがある。今朝は子供を三人連れた若いお父さんとお母さん。男の子が三年生くらいで女の子は幼稚園と三歳くらい。全員大きなリュックを背負っている。

こういう家族を見るとうれしくなる。ふだんの駅で、通勤通学の人の群れを見てもうれしくならない。修行不足である。うれしくなるべきだ。大勢の人が、健康で働くことができ学ぶことができる。元気で勤め先や学校に出かけていく姿を見てうれしくならないのは私がどこかおかしい。これだけの人が、病気で学校にも行けず働きもできず入院している姿を想像すれば、駅に満ち溢れる人々を見て幸せな気持ちで一杯になるのがふつうだろう。駅で毎朝私たちはお互いの健康を祝福しあい、握手し肩をたたきあって電車に乗るべきだ。バチあたりである。

さて、三人の子供は眠そうな顔をしている。
表彰状ものだ。大きなリュックを背負って眠そうな顔をしている子供になぜ表彰状を渡すのか。渡したいのだからしかたがない。
下の女の子は、お母さんにへばりついたり、お兄ちゃんやお姉ちゃんにへばりついたりしている。典型的、模範的、古典的家族でお出かけである。

将来、日本人がたまの休みに家族でお出かけしなくなる日が来るかもしれない。そうなったら、「たまの休みに家族でお出かけ」を懐かしむ人たちが「たまの休みに家族でお出かけ保存会」を結成するだろう。「たまの休みに家族でお出かけ」は、千年以上前から日本に伝わる伝統行事としておごそかに執り行われる。
しかし、この21世紀のはじめ、たまの休みに家族でお出かけしているのは、人類の一部かもしれない。熱帯地方で裸でいる人や、北極圏で毛皮にくるまっている人は、たまの休みに家族でお出かけなんかしないかもしれない。
「たまの休み」とか「連休」などというものが存在しないかもしれない。
たまの休みにお出かけするこの家族を見てうらやましいと思うかもしれないし、気の毒だと思うかもしれない。

私がこんなにいろんなことを考えているのに、お父さんとお母さんと三人の子供達は何も知らず楽しそうにニコニコしていた。