若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

国連加盟五十周年

今年は日本が国際連合に加盟して五十年目だそうだ。
知りませんでした。

私が十歳のときの出来事だが、よくおぼえている。
うれしかった。
私の子供時代で二番目にうれしい出来事だった。
一番うれしかったのは、南極観測船「宗谷」だ。
日本が世界の国々に伍して南極観測隊を派遣するというのが誇らしく思えた。
「宗谷」が無事南極大陸に到着するよう祈るような気持ちであった。

国連加盟についての十歳の私の理解は、日本が国際連合に入れてもらいたいのに、戦争を起こしたことでソ連が怒っていて許してくれない、というものであった。
許してくれないのはさびしいが、仕方のないことだと思えたので、加盟のニュースを聞いたときはよくソ連が許してくれたものだなあと感じた。

朝日新聞に小さな記事が出ていた。
22日、ニューヨークで「国連加盟五十周年記念コンサート」が開かれた。
国連本部前の広場に組み立てられたやぐらの上で、浴衣姿のアナン事務総長が自慢の声を張り上げて、「♪え〜んえ〜、さても一座の皆様方よ、チョイトでました私は、お見かけどおりの若輩で、とても上手にゃ歌えませぬが、今は昔の五十年、敗戦国の日本が、苦心惨憺手を尽くす、国連加盟のてんまつや、失敗談の数々を、国連音頭にのせまして、不便ながらもつとめまアアンしょ〜、ソレ、よいとよいやまかどっこいさのせ〜」と歌ったのかと思ったらちがった。

プッチーニの「蝶々夫人」やシベリウスの「村長夫人」じゃなかった「フィンランディア」が演奏されたのである。
蝶々夫人」はわかるが「フィンランディア」は?
日本と関係あるのか。
ナゾの選曲だ。
我が国の国連加盟に当たって、よほどフィンランドのお世話になったのであろうか。
十歳の私の感覚からすれば、ここは「白鳥の湖」ですね。