問題となっているギョーザを作った、中国の会社の社長が記者会見した。
底夢路さんである。
ちっともおかしくないが、おかしい。
「底」という姓が変わってると思う。
よい字ではないように思うのであるが、よい字なのだろうか。
「夢路」という名前も変わってる。
芸能界向きというか、お笑い向きというか、気合の入った名前のように思う。
大学の時、友人のM君が、中国は遅れてる、といった。
彼は、アメリカ好きであった。
中国は、アメリカより600年遅れてる、といった。
600年・・・。
コロンブス以前か、と私はしみじみした。
外食産業の社長の話を聞いたことがある。
食材を作っている、中国の村を訪ねてびっくりしたそうだ。
「おくれてまっせ!」
「明治時代ですか」
「いや、鎌倉時代」
やっぱり600年遅れか。
中国旅行をした人の本を読んだことがある。
中国人が、列車の窓からゴミを捨てるのでびっくりした。
窓から見たら、線路沿いはゴミだらけだった。
その人は、ゴミ箱に入れたが、車掌がまわってきて、ゴミ箱のゴミを窓から捨てたそうだ。
漱石の『三四郎』だったかに、列車の窓からゴミを捨てる場面が出て来るそうだ。
100年遅れほどか。
中国のトイレが悲惨だという話もよく聞く。
谷崎潤一郎の『蓼食う虫』にも、悲惨な話が出てくる。
主人公たちが、淡路島に、人形芝居を見に行った。
女性が、トイレに行こうとするが、やめておきなさいといわれる。
「聞けば、囲いのしていない所へ肥桶が二つ三つ並べてあって、男も女も立ちながら用を足すのだという」
80年ほどの遅れか。
ソ連が、アメリカより何十年か後れてるといわれた時代があった。
作家の、武田泰淳さんが、いや、そういういい方はない、これから何十年かたったとき、ソ連が今のアメリカみたいな社会だったら、ソ連は何十年遅れてたということだ、といった。
ややこしい話だ。
いつか、中国が輸入ギョーザで大騒ぎすることがあったら、日本より遅れてるといえばいいのか。