中国製の冷凍ギョーザに、殺虫剤が入っていたようで、大変なことになっている。
子供のころ、ギョーザを作るのを手伝うのは楽しかった。
皮で包むだけだが、なかなかうまく行かない。
「自家製」が基本の時代のお話だ。
前にも書いたが、「大草原のローラ」の家なんかは、ほとんどすべて自家製だ。
バターも自家製で、色が薄いと美味しく見えないので、お母さんがにんじんの絞り汁を入れて色をつける。
お母さんの知恵と愛情による着色だ。
好評に気を良くしたお母さんが、大々的にバターを売り出す。
「大草原の小さな家印バター」は飛ぶように売れる。
が、にんじんの着色がばれてしまう。
食品偽装、バターよ、お前もか。
信頼されていただけに消費者の怒りは大きい。
社長であるお母さん、専務のローラが、並んで「申しわけございません!」と頭を下げる姿が痛々しい。
今回、中国のギョーザ製造会社の工場をはじめて見た人が多いだろう。
立派な会社だ。
社長は、日本の消費者のことを一生懸命考えていたはずだ。
社員にも、パート従業員にも、日本の消費者のことを考えて仕事をするよう、厳しくしつけていたはずだ。
社員たちも、そう考えつつ、日本の消費者もいいけど、自分たちのことも考えてほしいと思っていたかもしれない。
この会社に肉や野菜を売っている人達も、ローラのお母さんほどには、食べる人のことを考えていなかったかもしれない。
お母さんが作ってくれるものは安心だ。
台所で愛情をこめて作ってくれている。
まあ、毎日こめるわけにはいかんかもしれないが。
冷凍食品や、その材料を作っている人が、お母さんみたいな気持ちであることを祈るくらいはいいかもしれない。
愛情を冷凍保存して、適当に解凍使用できる技術を開発する方がいいかもしれない。
食品輸入なんか出来なくなって、世界のどこで誰がどんな思いで作ってるかなどという心配をしなくてよくなるかもしれない。
そうなっても、日本のどこで誰がどんな思いで作ってるかは、心配した方がいいかもしれない。
お母さんのことも心配した方がいいかもしれない。
安心して、何も考えずパクパク食べない方がいいのかもしれない。