4回も書くほどのことではないしほかに書くこともあるのでやめておこう。
きのうは○○市××協力会の懇親会。
会場はいつもの料亭である。
料亭といっても政財界のお偉方が集うような高級料亭ではないのでうらやましがることはありません。
会費も一万円くらいですし。
隣にまじめそうな青年が座った。
初めて見る顔である。
「どんなお仕事なんですか」
「つちこやです」
「?つちこや?」
「つちこを売ってるんです」
「??つちこってどんな字ですか」
「土の粉です」
若者は「つちこ」についていっしょうけんめい説明してくれた。
塗料や建材やプラスチックに使われている。
ぴんとこない。
どんな物なのか。
珪素、マグネシウム、アルミニウム・・・熱心に語ってくれるがますますわからなくなる。
化粧品にも使われている。
土の粉が化粧品に?
ファウンデーション、マニキュア、天花粉。
おお!天花粉!
一気にわかったような気になる。
若者に好感を持つ。
あれは「土の粉」なんですか!?
そうです、珪素、マグネシウム、アルミニウム・・・。
若者に反感を持つ。
どうしてそっちに行くのだ。
警察が駐車違反の取締りで道路に印を書きますよね、あれも扱ってます。
ろう石みたいな物ですか?
ろう石です。
なつかしい!
好感を持つ。
ろう石というのは、珪素、マグネシウム、アルミニウム・・・。
この若者はまじめで仕事熱心だが、サービス精神に欠けるところがある。
誰だって自分が知らないややこしい話になると退屈だし反感を持つ。
親しみのある話題になると興味を抱き好感を持つ。
私は、好感と反感を交互に感じつつ、私が好感を感じる領域に若者を誘導しようと骨を折ったが、若者は、珪素、マグネシウムの世界に戻っていく。
あきらめて話題を変える。
「いくつですか?」
「33歳です。子供が多いんで大変です」
大きく出たな。
「多いって何人ですか?」
「5人です」
5人!
好感が爆発した。
珪素、マグネシウムは水に流そう!
小学三年生を筆頭に男の子が四人、奥さんがどうしても女の子が欲しいとがんばって去年女の子ができた。
奥さんが子供好きで、この若者が子供を叱るとその何倍も奥さんに叱られるそうだ。
子育てには天花粉かと思ったら、ベビーオイルだそうです。
やっぱりね。
珪素、マグネシウムはダメだ。