若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

公共交通機関

朝の駅前で、珍しく県会議員のTさんが演説していた。
だいたい水曜なのである。

この日記の登場人物の中では、Y森さんとならんでファンが多い。
というか、私がファンでよくとりあげるというべきか。

いつも違うことを話しているので、話題豊富と言いたいが、バスを降りて改札口を入る数秒間聞くだけなのでなんともいえない。
Tさんも、それを見越して、数秒間だけ話のつじつまが会えばいいと考えているふしがある。

一度じっくり聞く必要があると思っている。
数秒単位という話し方に慣れたTさんが、県議会で質問に立つと、一分間で十二の問題、すなわち十分間の質問では百二十の問題が提起されることになり、答弁するほうは大変であるとも言えるし、楽であるとも言える。

大変ととるか楽ととるかは、県政において県議会をどう位置づけるかという地方自治の根幹に大きくかかわる問題で、我々の政治意識が試される試金石といえるだろう。

Tさんは、時として実に謙虚な姿勢で、「わたくし、このお近くに住まわさせていただいております」などと、そこまでへりくだらなくても、と痛々しく感じるような話し方をすることがある。

かと思うと、「駅周辺の再開発工事では、皆様に大変ご迷惑をおかけしております。わたくし、この工事を一日も早く終わらせまして」などと、絶大な権力を握ってるような言い方をして、学園前の将軍かと思わせる時もある。

今朝は強いほうのTさんだった。

「わたくし、奈良県内の電車、バスなどの公共交通機関を、できうる限り安全かつ時間的に正確に運行させまして、皆様方を目的地に運ぶという・・・」

県議会に、JR西日本社長、近畿日本鉄道社長、奈良交通社長を呼びつけて、鋭く指差し厳しい要求を突きつけるTさんの雄姿を思いえがきながら、公共交通機関を利用すべく改札口を入ったのであった。

Tさんの演説の余韻さめやらず、今朝の電車はなんだか緊張しているようで、いつに増して頼もしく見えた。