きのうのレッスンは、18日の「鹿せんべい飛ばし大会」前の最終チェックであった。
私の後の時間はY森さんであるが、お休みであった。
私のレッスンにつき合わされるのがいやで休んだのだろう。
先週、尊師の私へのボーカル指導に熱が入って、Y森さんの時間まで食い込んでしまった。
レッスンルームに入ってきたY森さんは、しかたなく私の熱唱を聞いていた。
二週連続で私の熱唱を差し向かいで聞かされるのは、いくらY森さんでもがまんできなかったと見える。
Y森さんは今「いとしのエリー」を練習中だ。
アメリカンポップスの帝王Y森さん、当然のレイ・チャールズ・バージョンであるが、もちろん、レイ・チャールズになりきれるわけはなく、桑田さんとレイ・チャールズが、プラズマブルーエネルギーを浴びて合体したかのような、口と全身の動きで歌っていると思うが、現在どのような仕上がりかは不明である。
Y森さんが歌いだす前に、私は教室を出るので、確認していない。
逃げ出すわけではないが、まあ、急いで出る。
私は、前の時間だから逃げ出せるが、次の時間のY森さんはそういうわけにはいかないのが気の毒である。
先週、Y森さんが入ってきたのに、私が粘ってレッスンを続けたわけではない。
尊師が、つい熱が入ってしまったのだ。
教え甲斐のあるほうに力が入るのは人情というものだろう。
さて、きのうは尊師がわざわざマイクを用意してくださった。
いつもは、わたしの愛用の「マイ・マイク」を持参して歌う。
このマイクは30年近く前、子供の声を録音するのに買った。
1800円であった。
娘たちが、かみついたりかじったりして、かなり傷ついている。
私の歌がイマイチなのは、マイクのせいではないかという尊師の判断で、「このマイクで歌ってみなさい」ということになった。
オーストリアのAKG(アーカーゲー)というメーカーのマイクだ。
アーカーゲーのマイクに変えたとたん、私の歌が突然すばらしく聞こえるというようなことにならなかったのは遺憾であった。
尊師の話では、昔のアーカーゲーはもっと良かったらしい。
韓国工場で作るようになってから、品質が落ちたそうだ。
韓国工場の責任者は、安正範といって、自己紹介はいつも、「アーカーゲーの安です」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにねっ!」