若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

田村圓澄『聖徳太子』

推古天皇は、「豊御食炊屋姫(とよみけかしやひめ)」という名前で、「料理の上手なお嬢さん」という意味だと書いてある。

これ、本名なんですか。
「愛称」、ニックネームではなかろうか。

愛称にしては、長くて呼びにくい。
やはり、本名か。

本名、「豊御食炊屋姫」、愛称、とよちゃん。

しかし、生まれたときにこんな名前つけるかな。
なにしろ、とよちゃんのお父さんは、欽明天皇で、おかあさんは、蘇我稲目の娘の堅塩姫。

門中の名門、セレブ中のセレブ、ロイヤル中のロイヤルですよ。
娘に、「料理上手になってほしい」とは思わんでしょう。

ということは、やはり本名ではなく、後からついた呼び名か。
ホームパーティでの、彼女の料理のウデが評判になって、豊御食炊屋姫と呼ばれるようになったのであろうか。

だいたい、「豊御食炊屋姫」は、ほんとに「料理の上手なお嬢さん」という意味なのか。
ひょっとすると、「よく食べる」「大食い」という意味ではないのか。

蘇我氏と敵対する物部一族から、「蘇我の大食い娘」ということで、「豊御食炊屋姫」と悪口で呼ばれていたのではないか。
あまりにも当たっていたので、いつの間にか定着してしまった。

いずれにせよ、当時、名前はどんな風につけたのであろうか。
「本名」とか「愛称」とかの区別は、あったんでしょうか。

聖徳太子は、「豊聡耳(とよとみみ)皇子」他、いろんな呼び名があるようだ。
「聞き上手なぼっちゃん」という意味か。

では、聖徳太子は、子供のころ、友達から、「とよとみみひでよし」とからかわれていたのではないかと思う人は、歴史を知らない人である。