新潟に行ってきました。
富山を過ぎるあたりから山がゴツゴツしてくるように思う。
新潟の田んぼは一枚ずつが大きいのではなかろうか。
十日町のAさん宅(特に名を秘す、こともないが)に用があって行ったのであるが、「こしひかり」と「豪雪」で有名な所だ。
「こしひかり」はおなじみだが、「豪雪」にはなじみがない。
Aさんのおうちも何度も雪に埋まっているそうだが、そういわれても見当がつかない。
ではこれを、とアルバムを出して来られた。
二十数年前の写真だ。
玄関前で、おじいさんが孫娘とにっこり笑っている。
玄関の両側は、屋根まで雪の壁がそそり立っている。
ははあ、これは「豪雪」ですね。
しかし、トンネルを出たら雪国どころではなく、玄関を出たら両側が屋根まで雪の壁では、川端康成もすってんころりんとひっくり返るところだが、おじいさんと女の子はなぜにこにこ笑ってるのだろうか。
途方にくれているというならわかりますが。
結局、写真を見せてもらっても雪が十センチ以上積もったのを見たことがない私には、「豪雪」はぴんと来なかった。
泊まりは越後湯沢。
十日町といい、越後湯沢といい、いい地名ですね。
地名にいいも悪いもないとは思うけど、いい感じである。
とくに、「越後湯沢」はいい。
ちょっとずるいんじゃないかと思うほど、いい。
越後湯沢とくらべると、奈良も京都もそっけない。
東京、大阪なんか、あわれなもんだ。
ニューヨーク、ロンドン、パリなんか、越後湯沢と比べる気もしない。
カタカナという時点で終わってますよ。
ニューヨーク、ロンドン、パリ。
こういう、爪楊枝を何本か並べただけで書けるような地名は気の毒ですね。
なぬ?
パリは、爪楊枝では難しい?
越後湯沢の話だ。
「雪国館」という、博物館みたいな施設があった。
ふらっと入ってみました。
何気なく入ったこの施設に陳列された、「豪雪」が生み出した「生活用具」類を見て、「豪雪」が少し理解できたような気がした。
凄い、と思った。
豪雪が凄いのか道具が凄いのか、とにかく生きていくというのが凄いのか。
越後湯沢というひびきにうっとりしてる場合じゃないと反省したのであった。