若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

料理教室初日

十日町のAさん宅で、豪雪写真を見せられてもぴんとこなかった。
トシの話になってAさんは、昭和23年生まれだと言った。

団塊の世代です。人数が多くて、中学なんか、一学年百人いました」
「???私は昭和21年生まれで、中学は一学年700人ほどでした。二年下の学年だと、800人か900人いたと思います」
「???」

Aさんは、大阪の団塊ぶりがぴんとこないようであった。
豪雪と団塊で引き分けであった。

今日は料理教室初日。
「初めてのお料理コース」は私一人だ。

若い女の先生がにこやかに、頭のてっぺんから声を出して迎えてくれた。
「こんにちは〜!お料理は初めてですかぁ〜?緊張されてますぅ〜?全然だいじょうぶですよぉ〜!」

まあ、要介護扱いはギターで慣れてるますが。

「おうちでは何かお料理作られますかぁ〜?」
「いちおう、和洋中」
「和といいますと」
永谷園のお吸い物なんかが得意ですネ」
「洋は」
ボンカレー
「中は」
「日清のチキンラーメン
「えーかげんにしなさい!今日はネ、ハンバーグとコンソメスープなんです」

巨大ショッピングセンター二階、全面ガラス張り、水族館みたいな教室で私が包丁を右手に、調理テーブルに対して七、三に構えてすっくと立った瞬間、ショッピング中の女性客がわっとウインドウに群がり、きゃー!すてき!アレ、ヨンさまと違う?似てるけど、ちょっとちがうワ、ちがうけど、かっこええねえ、ウチの主人もあれくらいファッションセンスがあったらねえ、あほかいな、あんたとこの亭主と、あの人と、顔が違うしスタイルも違うがな、あんたとこのビヤ樽に、なに着せても無駄や!誰がビヤ樽じゃ!きーっ!というような騒ぎになったらどうしようかと心配していたが、私がすっくと立とうが包丁を振り回そうが顔を向ける人もなく、先生の指示通りもたもた動いているうちにいつのまにかハンバーグが出来上がっていたのが不思議であった。

二人分作ったので先生も食べるのだと思って、毎回作ったものを食べるのは仕事とはいえ大変だなあと同情していたのであったが、先生は食べなかった。

おいしかったです。
さあ、明日はさっそくハンバーグだ!